3月活動報告

3月30日(土)昭和記念公園ハイキング     

参加者 7名

サンクラブのハイキングで昭和記念公園に行きました。西立川駅で参加者7名が合流し、さっそく目の前の公園へ。前日までの肌寒くはっきりしないお天気とは打って変わって、この日はすばらしい晴天で気温も上がり、公園散策日和となりました。園内は家族連れや子供たち、犬を連れた人などたくさんの人でにぎわっていました。

ソメイヨシノはまだこれからというところでしたが、早咲きの濃いピンクの「陽光」が私たちを出迎えてくれました。チューリップのお花畑もほんの一部しか咲いていませんでしたが、ちょうどチューリップ畑の写真展をやっていて、満開に咲きそろった見事な景色を写真で見ることができラッキーでした。写真家の方がいらしていろいろと説明してくださったのですが、チューリップの球根代が1年になんと五百万円、と聞いてびっくりでした。今年は4月中旬ごろが見頃だそうなので、そのころもう一度見に行きたいな、と思わずにはいられませんでした。チューリップは残念でしたが、その代わりに菜の花が一面に咲き、黄色の世界が広がっていて目を楽しませてくれました。

あずまやで横一列に並んだお弁当のひとときは、皆さんのお菓子の差し入れやコーヒーの差し入れでお腹もいっぱい。おしゃべりにも花が咲きました。途中で出会った秋田犬。「わー、カッコいい!!」と近寄って飼い主さんのお話を聞いたり、ワンちゃんを撫でさせてもらったりして、初めての秋田犬体験をしました。集合写真もたまたまそばで三脚を立てていたカメラマンのお兄さんに撮っていただき、思い出の一枚となりました。それから園内を走る乗り物「パークトレイン」に乗って園内をめぐりながら、西立川口から帰る人と立川口から帰る人それぞれに運んでもらって解散となりました。

お天気に恵まれて、目も心もお腹も満たされて、しばし日常を忘れて楽しんだ一日でした。皆さんと一緒に行けたからこそ味わえた昭和記念公園だったと思います。

(K.F)

 

3月16日(土)精神保健福祉講座

「多摩市の生活保護」 多摩市生活福祉課長・松田隆行さん

出席者15人(内会員14人)

今年度の目標「地域で安心して生きる-地域の社会資源について学ぶー」に基づき、9月の障害福祉課長のお話に続いて、3月は生活福祉課長に「多摩市の生活保護」というテーマで仕組みや対象者について伺いました。わかりやすい資料を用いての詳しい説明でしたが、その中で家族にとって関心の高い部分を報告します。

〈多摩市の生活保護の状況〉 令和5年4月1日現在 多摩市の人口は148,107人 世帯数は74,760世帯 多摩市の保護率は1.7%で26市の平均ぐらいです。世帯類型別では、高齢世帯が圧倒的に多く46.3%、障がい者世帯は18.9%です。コロナ後は、それ以前の1.5倍に増えて高止まりしています。

〈生活保護とは〉日本国憲法第25条に規定する生存権の理念に基づき、国が生活に困窮する区民に対し、その困窮度に応じて最低生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする制度です。昭和25年の生活保護法制低から現在までほとんど改正がなく、実施主体は市ですが、金額の改定などは国からの通知で来ます。国の制度なのでどこの市に住んでいても同じです。

〈生活保護制度の基本原理〉保護の補足性の原理があり、保護を受けるためには、各自の資産、能力その他あらゆるものを活用することが要件です。預金・不動産などの資産の活用、親族からの扶養、年金が受給できるなら年金を受給する、就労可能なら就労する、他の制度があれば他の制度が優先される、などです。

〈生活保護実施上の原則〉 保護は原則として世帯(一つ屋根の下に暮らし、同一生計を営む)を単位として行います。

〈生活保護の決定(保護の要否判定)〉国が定めた最低生活費(世帯の居住地・人数・加算+実際の家賃)より収入が低ければ、その不足分のみ保護が受けられます。

〈扶助の種類と内容〉① 生活扶助 衣・食・光熱水費などの日常生活の費用 ② 住宅扶助 家賃、地代、住宅維持に必要な費用のほか自立支援医療以外の医療費 などがあります。

〈地区担当員(ケースワーカー)の役割〉【給付決定】保護申請者に対して各種調査を行い、保護の要否判定と程度の決定、援助方針を策定します月ごとの保護費を算出して支給します。保護費は毎月1日午後、基本的には口座振り込みで支給されます。【自立助長のための支援】・健康管理支援として、市内精神科病院から医療ソーシャルワーカーを派遣してもらい、その専門的見地から精神疾患のある受給者に対し、通院勧奨や服薬等の指導をして、適切な医療を受けられるように支援しています。・金銭管理支援事業として、自分で金銭管理ができない受給者の安定生活の維持、自立の促進を図ることを目的として、生活費を含む財産の管理や支払い関係等の諸手続きも事業者に委託して行っています。

1時間の説明の後、質問に移りました。主な質問は以下の通りです。<質問>本人の預貯金がある場合は、どのくらいまでだったら保護を受けられますか?

<答>国が定めた最低生活費より預貯金が少なければ、その差額分が受けられます。<質問>持ち家があれば生活保護は受けられないと聞いたことがありますが、公団の古い分譲でもダメですか? <答>持ち家すべてが対象外ではなく、固定資産税の評価額が家賃扶助より低ければ認められますので、双方の兼ね合いで決まります。

<質問>同居の兄弟が働いている場合は、住民票で世帯分離していても受けられませんか? <答>同居していれば住民票がどうであれ同一世帯とみなされるので無理です。

<質問>生活保護受給者はカードが持てないのですか? <答>カードを持つことはできますが、カードローンはできません。借金は収入とみなされます。

(S.T)

 

3月12日(火)集いの会

出席者 2人(うち会員2人)

冷たい春の嵐が吹き荒れる日で、参加者が少なくなるだろうことは十分に予測されましたが、二人だけでした。その分じっくり話し合うことができて、良かったとも言える集いの会になりました。

(S.T)

2月活動報告

2月25日(土)交流会 精神保健福祉士・豊田先生を囲んで

出席者13人(うち会員13人)

連休の中日、道路が混んでいるのでちょっと遅れると先生から連絡が入り、いらっしゃるまで何をしようかと思っていた時もう先生は入ってこられました。

先生は興味あるテーマを学会で議論していたのでZOOMで参加していたと前置きして、その話題を一気に話されました。

・4月から運用される医療保護入院は原則半年だが、この場合、市区町村の同意がいるがこのことがより明確になった。そして同意したのだから訪問することが義務付けられたがこれは虐待を発見できるというメリットがある。

・退院促進事業は住宅支援がポイント。グループホームは2年間東京都の補助があるから通過型が多い。自治体ごとに住宅支援協議会が設置され議論されているがどういう立場の人が座長になるかで決まることが違ってくる。

・今まで身体について病気の予防事業は多数用意されていたが精神について予防対策はなかった。この精神面の予防対策を医療・福祉・地域と連携していくことが政令都市、保健所のある都市に義務付けられた。他は努力義務になっているが一歩進んだことになるだろう。これを機に計画相談の事業を豊島区で立ち上げるつもりだ。

その後、一人づつの近況報告に移りました。

難病を克服して、これからの人生をポジティブに生きることを宣言したAさん、拠り所になった本の紹介もありました。久しぶりでお会いしたBさんは表情も明るく元気にシャンソンを披露したのは驚きでした。しかし、子どもとの信頼関係が築くけず苦しんで方が多数いらっしゃったのは身につまされます。また、出かけたらなかなか帰ってこない当事者、テレビを見た興奮をそのままぶつけてくる当事者のお相手で疲れてしまう親御さん、子どもの障がいに加えお連れ合いの高齢化に伴う認知度の低下、いまだ幻聴、幻覚に悩んでいる当事者・・などなど

皆さん淡々とお話していますが、その悩みの深さは察するに余りあります。こんな優しい方が沈んでお話する情景を見るにつけ精神疾患の複雑さ、理不尽さにどうしようもない苛立ちを覚えてしまいます。それでも「生きてるだけで立派」と主治医の言われたことを心に止めていらっしゃる方、心配しても仕方ないのでなるようになると開き直っている方の話も交え、様々なお話を共有することで見えてくる生き方のヒントがいっぱいありました。

一通り話が終わったところで豊田先生の総括的なお話がありました。

初回に比べると皆さん、それぞれに前を見て進んでいます。自分のいい所をもっと探して頑張っている自分をほめてください。幻聴・幻覚について言えば、当事者は時にはナイフを背中に突き付けられている恐怖にかられます。怖いですよね。想像してください。また、傾聴することは大事ですが、長い話は止めてとはなかなか言えません。病気だからしょうがないとラベリングしていませんか?時には反論してもいいと思いますよ。

ほぼ時間通りに2時間で終了し、その後一名の方のご相談にのっていただきました。

先生とのお付き合いも会を重ねるたびに共感できる状況ができてきていると実感します。

(K.H)

2月13日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

急に春めいて暖かな日ざしの午後でした。

しばらくぶりにそれぞれの家庭での食事、入浴、着替えなど日常生活の細かい事や主治医の対応に話が集中しました。同じ病気でも症状や困っていることはそれぞれの家庭で少しずつ違っています。「それは大変だわね。うちではその点は困っていないけれど…。」と言うこともあれば、「うちではこんな風にしているの。」などのアドバイスもあります。それでも「ここでしか話せない。ここで話せることは、何より嬉しい!」と皆スッキリした表情で解散しました。

集いの会にまだ一度も参加したことのない方は、ぜひ一度覗いてみてください。                          (S.T)

 

1月活動報告

1月27日(土)新年会

出席者18人(うち会員15人)  

コロナのために中止が続いたサンクラブ多摩の新年会は昨年から、お弁当なしの時間短縮で再開しました。厳しい寒さの時期、ちょっと緩んだ小春日和を思わせる日だったので参加する人も多いかなと期待した割には少ないと感じた18人の参加でした。受付にはクッキーと飲み物(クッキーはお土産用、飲み物は会場での飲料可)、横に希望者はお持ち帰り可能な「月刊みんなねっと」(とっても読みやすくコンパクト、その上お得な情報もいっぱい載っていてもらい得!)、社協を通じて寄付でもらったファイルも並べて皆さんをお迎えしました。

新年会は、毎度お馴染み植村先生のうたごえ喫茶風イベントで始まりました。着席順ごとに二人の選ぶ曲を大きな声で歌っていきました。いつも感じることですが、声を出すことで少しずつストレスが飛んでいく感じがとてもいいです!いつ歌っても同じ歌詞で泣いてしまうのは年を取ったせいでしょうか。

今回の最大の見せ場は当事者のF君とMさんの独唱。F君は井上陽水の「少年時代」を豊かな声量で朗々と歌い上げ、アンコールにも答えていましたし、Mさんは、落ち着いた優しい声で「いい日旅立ち」を最後まで歌い上げました。また、今回は初めてイントロにクイズにも挑戦。植村先生に選択した曲のイントロを演奏してもらい、わかった人は手を挙げて曲名を言うという簡単なルールですが、さすがに若い人は反応が早いですね。親たちは「ああ、あの~あれ~」と曲が頭に浮かんでも正しい曲名はなかなか思い出せず、身もだえする楽しい脳トレ時間でした。

後半は藤岡さんの進行で参加者が順番に話す近況報告です。今回当事者の発言が堂々とあったことが印象的です。言葉はとつとつとしていても真剣で、それなりに親を思う気持ちに溢れていて感動的でした。もちろん親御さんの状況報告も身につまされるお話があったり、爆弾を抱えながら平和な時を淡々と過ごしている状況だったり、相変わらず子どもとの葛藤が続いていたり、と千差万別です。もしかしたら前回と同じ状況報告なのかもしれませんが毎回発言なさっている人の思いが率直に吐き出されて、「あ~、同じだ」「がんばれ、がんばれ」「もう少しの辛抱!」「よかったね」と共鳴している自分がいます。皆さんもきっと同じだと思います。一人ひとりの思いが家族会で共有することが大事なことだと実感する新年会でした。

今年もよろしくお願いします!    (K.H)

 1月9日(火)集いの会

出席者6人(うち会員6人)

最近入会された方が早くに来られたので、皆が集まるまでゆっくりお話を聴くことができました。その後で、参加者全員がお互いに自分の家庭の状況を説明し合いました。そのとき、常連の方から病気の子どもが小さいときから落ち着きがなく育てるのがとてもたいへんだった、など初めて聞くお話も出ました。皆でそれぞれの振り返り

出席者18人(うち会員15人)

 

コロナのために中止が続いたサンクラブ多摩の新年会は昨年から、お弁当なしの時間短縮で再開しました。厳しい寒さの時期、ちょっと緩んだ小春日和を思わせる日だったので参加する人も多いかなと期待した割には少ないと感じた17人の参加でした。

受付にはクッキーと飲み物(クッキーはお土産用、飲み物は会場での飲料可)、横に希望者はお持ち帰り可能な「月刊みんなねっと」(とっても読みやすくコンパクト、その上お得な情報もいっぱい載っていてもらい得!)、社協を通じて寄付でもらったファイルも並べて皆さんをお迎えしました。 

 

新年会は、毎度お馴染み植村先生のうたごえ喫茶風イベントで始まりました。着席順ごとに二人の選ぶ曲を大きな声で歌っていきました。いつも感じることですが、声を出すことで少しずつストレスが飛んでいく感じがとてもいいです!いつ歌っても同じ歌詞で泣いてしまうのは年を取ったせいでしょうか。

今回の最大の見せ場は当事者のF君とMさんの独唱。F君は井上陽水の「少年時代」を豊かな声量で朗々と歌い上げ、アンコールにも答えていましたし、Mさんは、落ち着いた優しい声で「いい日旅立ち」を最後まで歌い上げました。また、今回は初めてイントロにクイズにも挑戦。植村先生に選択した曲のイントロを演奏してもらい、わかった人は手を挙げて曲名を言うという簡単なルールですが、さすがに若い人は反応が早いですね。親たちは「ああ、あの~あれ~」と曲が頭に浮かんでも正しい曲名はなかなか思い出せず、身もだえする楽しい脳トレ時間でした。

 

後半は藤岡さんの進行で参加者が順番に話す近況報告です。

今回当事者の発言が堂々とあったことが印象的です。言葉はとつとつとしていても真剣で、それなりに親を思う気持ちに溢れていて感動的でした。もちろん親御さんの状況報告も身につまされるお話があったり、爆弾を抱えながら平和な時を淡々と過ごしている状況だったり、相変わらず子どもとの葛藤が続いていたり、と千差万別です。もしかしたら前回と同じ状況報告なのかもしれませんが毎回発言なさっている人の思いが率直に吐き出されて、「あ~、同じだ」「がんばれ、がんばれ」「もう少しの辛抱!」「よかったね」と共鳴している自分がいます。皆さんもきっと同じだと思います。一人ひとりの思いが家族会で共有することが大事なことだと実感する新年会でした。

 

今年もよろしくお願いします! 

 

   (K.H)

 

(S.T)

12月活動報告

12月12日(火)集いの会    

参加者4名(内会員4名)

今月も親の高齢化による体調不良の話から始まりました。お互いに通院しているクリニックの紹介や治療方法など話題もどんどん広がります。そして最後は「私が倒れたらわが家はどうなってしまうのだろう?」「うちだって。」に行きつきます。

そういう例を身近に見ている人は「親がいなくなると子どもは意外としっかりしてくるものよ。」と言いますが、その前提条件として公の支援機関に繋がっていることが一番大事です。 (S.T)

11月活動報告

11月25日(土)精神保健福祉講演会 「ひきこもり」の臨床

   講師 西 晃先生(桜が丘記念病院・医師)

参加者 27名(うち会員16名)

急に寒さが訪れた日でしたが、6階の集会室には用意した椅子が埋まってしまう状況でした。講師が会員の多くの方が通っている桜が丘記念病院の先生のせいかもしれません。始まる前、若い男性の方がお見えになって珍しいこともあると思っていたらその方が今日の講師の西晃先生でした。

定時に高村さんの司会で始まった先生のお話は会場のスクリーンに映された画面と手元に配られた資料と双方を確認しながら進行しました。最初に簡単な自己紹介がありました。2019年慶応義塾大学病院精神神経科医局に就職、そこから何か所かの病院に派遣され22年桜が丘記念病院に勤務されていますが、週に一回南多摩病院総合内科外来で内科診療も行っており、月に1、2回往診クリニックで診療を行っているという経歴です。演題は「ひきこもり」の臨床、ひきこもりという概念が生まれていったいきさつから始まりました。

1990年以前はひきこもりという概念がなく精神科医の斎藤環さんがアメリカ精神学会の診断基準に「社会的撤退」として統合失調症やうつ病の症状として報告されてることを紹介しています。そして、ひきこもりを①20代後半までに問題化すること ⓶6か月以上自宅に引きこもって社会参加しない ③他の精神障害が第一の原因と考えにくい と定義しています。ここの考えがスタートになっています。

1990年以降相次いで起きた事件の犯人がひきこもり状態にあったことから「ひきこもり=犯罪予備軍」のようなイメージが広がっていきます。

2003年以降 事の重大さを認識した国が動き、ひきこもりに関する調査、分類、分析が進みます。ひきこもりの定義が「趣味の用事の時だけ外出する」も含めて広義になって、調査対象も10~64歳になった令和4年には全国で146万人というデータが発表されました。この分析結果を見ると10~14歳では理由が特にないが34.9%だが15~39歳では14.8%と言語化ができるようになるにしたがい理由がはっきりしてきます。理由が分からない範囲を考えると何らかの病気が隠れている場合があったり重荷を背負っている可能性があると考えます。理由の中にはひと付き合いや何らかの失敗体験が大きな理由になっているようです。最近の傾向として統合失調症は横ばいですが、うつや双極症は右肩あがり、10年でADHDは6倍、学習障害は5倍、ASDは3倍になっています。社会人になるタイミングで発達障害が発症することが多いようです。ひきこもりにつながる精神疾患は大きく4つに分類できますが、多くは少しずつオーバーラップしています。この範囲をどのように解きほぐして治療法を探っていくかは精神科医にかかってくる重要な仕事です。場合によっては薬物療法を中心としたスピード感あるサポートが功を奏する場合もあり事例が紹介されました。発達障害で物忘れが多く並列作業(同時に複数の仕事をする)が苦手な女性が職場の配置転換で改善した例、また、上司の移動で職場の緊張感が強くなり過換気発作が起きてしまった場合も配置替えで改善しています。

しかし、精神科の受診まで行くハードルは高く、その多くは精神疾患に対する偏見と思われますが、また、頭痛や腹痛などの身体的な症状で内科に行き異常ないと診断されそこで止まってしまうケースもあります。いかに円滑に精神科に移行するかが課題です。様々な症状を持つ人が受診することが多い内科との連携が課題と思われます。先生の南多摩総合内科での経験の中でも一日に5~10人程度は精神科的治療が必要だそうです。

最後に今まで出会ったケースの中からの紹介がありました。ひきこもりは病名でなく現象概念で複数要素が背景になっていることが多い現状です。長いひきこもりでもジョギングや散歩などきっかけに体のことも一緒に診る中で、話し合うようなことから糸がほぐれる場合があります。今やひきこもれる時代、ひきこもり同士のコミニティを作ってひきこもりの楽しみを知ることも一案、適切な医療に繋がるために本人だけでなく家族に対しても病気を理解してもらうことも重要でしょう。

西先生は精神科医の課題でもある内科診療も務めながらアウトリーチでもある往診も経験しています。これから多様な引き出しをどのくらい身に着けることができるか、将来が楽しみです。また、お会いしたいものです。

(KH)

 

 

11月4日(土)第61回高森先生公開講演会「みんなでやろう 家族SST」

参加者 31名(うち会員15名)

90歳を過ぎた今でも、全国の家族会の講演会や学習会に出向いて、家族をはじめ、当事者支援の関係機関スタッフを対象に、SST(Social Skill Training)を伝え続けている高森先生。最近、講演で行かれた地方は家族会もなく、障害への偏見等が根強い、当事者や家族が息を潜めて暮らす閉鎖的な地域で、講演会には家族の参加も少なく、その分、関係機関の職員が大勢参加されたとのこと。当事者に関わるスタッフが勉強していると本当に助かると言いつつ、公開講演会の参加者の顔を見渡しながら、困っている家族が、切実な悩みを率直に話しあって確認や相談ができる場、初めての方でも市外の方も躊躇しないで参加できる開かれた場として、家族会の存在の必要性に言及されました。

◆狂気は環境が作り出す

高森先生が講演の中でいつも紹介されるのは、「心の病は愛で癒す」という小冊子です。当事者の父親である呉慎次郎さんが奔走して、国内はもちろん、海外の専門家にまでボランティアでの寄稿を依頼し制作した冊子は、最近、改訂版も出たそうです。この中で特に重要なポイントとして、「自由こそ治療だ! イタリア・20世紀の精神医療大改革」という掲載原稿の次の部分を読み始めました。

精神病の「医学」から「狂気」を切り離し、狂気は、家族・仕事・環境などの社会的要因からの「一連の現象」であるとしました。狂気は、深い苦しみに裏打ちされた表現であり、また、狂気は一つの「人間の条件」であるから、医師はこの人間らしい現象にどういった姿勢で向い、どのようにその狂気の要求に応えられるか、を思うべきであるとしました。さらに「狂気は生活環境によって増長されるので、環境によって危険性を抑えることは可能」であり、病院は、狂気を増大させると非難しました。

イタリアのバザーリア先生は、狂気は、家族や仕事などの周りの環境が作り出す感情で、生活環境が変われば症状も抑えることができると提唱しました。高森先生は、この説を踏まえ、統合失調症を発症する子は生まれつき敏感で、光や音、空気圧の変化もストレスに感じるほどの感覚で生きていることに触れ、親が喜ぶような子になろうとして、脳が疲れ果てて思春期に発症するケースが多いため、「家族は、子どもの現在を認め肯定的に接し、味方なんだという素朴な思いが伝わるよう接することが大事。本人の意思を尊重し、育て直しという視点で子どもの成長を待ってあげて」と言及されました。また、「家族が良かれと思って言う言葉で、当事者は傷つく。対話の中で『それで味方かよ!』と言われたら、『どこが敵に見えたの?』と率直に聞いてください。本人が答えを持っているから」と付け加えられました。親が次から次に助言・忠告・指導をしてしまうことは、子どもの現在を認めていない行為で、バザーリア先生の言う「生活環境によって狂気を増長される」に重なるという指摘です。親は、愛情から我が子を放っておけないので、頭のいい人ほど「治す」ということに精力をつぎ込んでしまいます。当事者の現在を認め寄り添う行為が伴わないと、ストレスを与えてしまうことに…。家を自由な雰囲気にして、狂気を生まない環境にするためのコミュニケーションのトレーニングがSSTです。

◆伊勢田先生の視点〜どう治すのかでなく、人生目標をどう生きるか〜

昨年6月に、川崎の家族会は、元都立多摩総合精神保健福祉センター医院長の伊勢田先生を招いて講演会を開催し、その内容が難しかったものの、何か大事な事を言っていると感じた参加者から、再度開催を望む声があがったので、1月に同じ先生、同じ資料で、高森先生も招き、再度、講演会を実施したそうです。伊勢田先生に家族から6件の「困りごと相談」が出され、それを聞いた先生からの助言を期待していた参加者は、「現在、精神疾患は治らないし、治す必要もない」と、先生が資料を読み上げたことに驚いたそうです。「人生が行き詰まると発症し、行き詰まりが解消すると回復する。つまり、治りきりにはならないが、行き詰まりが解消されれば、いつでも回復できる。むしろ、治そうとすること自体が治りにくくさせる。」と続けて資料を読み上げられ、「ここに出された相談は、どれも病気からくる皆さんが困っている現象。その症状を抑えるのでなく、当事者の人生の目標をどう生きるかの環境に焦点をあてる」と示唆されています。

伊勢田先生は、「治療は、患者の生活をみないとできない。当事者が人生の目標を見出し、人生の中でそれを実現するよう支援するのが医師としての使命」との考えから、環境を構成する医師や親がより根源的に大きな視点で関わる必要性を提示されている。伊勢田先生の調査研究では、服薬をしている人が中断すると、70%が9カ月以内に再発する。服薬をまじめにやった場合でも38%が再発、さらに本人の意思で再発しないよう努力をした場合では、再発が36%になる。再発は、薬が抑えきれないほどのストレスを与えることで起きるが、再発させる原因は親。家族が当事者への正しい対応を理解して実践すると、再発率は13%までダウンするという結果が報告されています。当事者と接する家族が勉強することが、いかに大事かを物語っています。

◆対応方法の工夫

これを踏まえ、高森先生は、大声を出す症状の場合、むしろストレスを発散させることを薦められました。「今はインターネッとで『叫びのツボ』が5千円程度で入手できるので、『声を出して発散するのは、ストレスを発散できるから、いいんだって。近所の人が驚くと大変だから、このツボを使うといいよ』と明るく話しかけてみてください」と。また、「私の話を聞いて、あるお父さんは、家で暴れる息子さんのために、部屋を頑丈に改装し、気のすむまで思いっきり暴れてもらい、静かになったこら「大丈夫?」と声をかけるようにしていたら、暴れなくなった」と具体例を話されました。

神田橋條治先生の著書「心身養生のための経路・ツボ療法」はユニークな本で、いろいろな発散方法が紹介されているそうです。「病気の部分を治そうとしていじっては駄目で、死にたくなった場合の対応や、打楽器やカラオケ等ストレス発散もそれぞれの家族に合わせて工夫することが大事」と、紹介されました。一軒一軒の家に、それぞれのクセ、いわば成育歴による文化の違いがある。暮らしの中のクセは、兄弟姉妹でもみんな違う。その人の生活を踏まえた臨床が大事で、自分の子どもでも親とは違う。親は、愛情と絡めて良かれと思い、無意識に子どもを自分色に染めようとするが、当事者にとっては苦痛でしかない。どう生きるべきかという、もっと大きな愛で包み、本人の自然治癒力を大事にし、子どもの声に耳を傾ける。治すという視点でいじくりまわさない。

◆お困りごと相談

◆親亡きあとの生活環境をどう作っておくか、心配43歳で引きこもっている息子と両親の3人で暮らし。結婚した姉2人がいるが、親以外に関わりが持てない状況。福祉にもつながっていない。病院にかかっているが、薬を取りに行くのは母親。いい先生に出会えていない。薬は自分で進んで飲んでおり、病識はある。

親亡きあとは、「適切にお金の使い方ができること」と「周りの人に助けを求めることができること」の2つができれば大丈夫! 本人は今だけで精一杯。引きこもっているのを怠け者と言われるのが一番つらいので、否定的な事は言わずにほめることで生命力を高める。誕生日や祝祭日などの特別な日を選んで、生活保護の生活資金支給額6万5千円を意識して、一人暮らしになった場合のやりくりについて親として伝えていくこと。障害年金をたばことお酒で使い切る今の生活は、お小遣いだが、生活資金はお小遣いではないので、そのことを丁寧に伝えていくことが必要。生活資金として、額は少なくても食費も入れてもらうようお願いしてみる。お金のやりくりができ、お医者さんに通院していれば、病気の証明はお医者さんがしてくれる。できれば、薬は自分で取りに行くのを仕事としてもらう。一人の人間として尊重する言い方でお願いをする。相手の調子が悪い時は「また、話聞いてくれるかな」と言って深追いせずに、何回か繰り返す。信頼関係ができると断りにくくなる。また、自信を無くすから、ダメ言葉を使わないで、お願いとして本人に伝える。不安にならないよう「大丈夫!」と言ってあげた方がいい。できれば、保健所の地区担当の保健師にも挨拶に行ったほうがいい。周りの人達、特に関係機関のスタッフと助けてくれる環境を作っておくことが大事。必要なことをきちんと相談できる親になってほしい。

◆8月末に退院。作業所に通っているが、焦りから調子を崩している20歳前半の娘。2か月入院し8月末に退院。11月から、週2回B型作業所に通所、パソコン作業をしている。就職するのに3年かかると言われ、希望を失い、焦りから、最近、調子が悪くなり、幻視もある様子。「肝臓がいくらで売れるか?」なんて言い出す。作業所には行きたいと言っている。

ある当事者のお母さんが考えた「あ・が・む」というフレーズがあります。

あ→焦らない・が→がんばりすぎない・む→無理をしない

ストレスが増えると不調が増えるので、この言葉を唱え自戒しているそうです。20代は焦りから再発が一番多いので、親子で「あがむ」を意識していく必要があります。発病すると、急性期の症状の後、消耗期に入り陰性症状が出てきます。この時期は、心身ともに疲れっており、ゆっくり眠ることによってエネルギーを蓄え、回復期につなげる時期です。その後、赤ちゃんでいえば一人遊びの時期がきて、さらに外に出ていき人に会いたくなる活動的な時期につながっていきます。それぞれの時期について理解したうえで適切に対応することが大切です。

娘さんは、先生や親の指示に従う依存型タイプではなく、自分の考えを優先し、失敗から学ぶ啓発型のタイプ。親は、焦らずに、失敗もさせる大きな心をもって、徹底的に話を聞いてあげる。SSTの相手の気持ちをわかるための大切なポイントを意識して、まずは関心表明、反復確認をする。助言や忠告はいらない! 「作業所へ行きたいのね」と子どもの気持ちを受け止めながら、明るく具体的に話をすること。

◆自分をバカにした人への仕返しを口にする息子への対応発達障害のグレーソーンの27歳の息子。過去のことで自分をバカにした人に仕返しをしたいと固執しているが、親としてうまくコミュニケーションができない。どう対応したらいいのか?

SSTの相手の気持ちがわかるポイントは、カウンセリングの手法を基本にしたもので、①関心表明、②反復確認、③話が具体的になるための質問、④共感の言葉(同意ではない)、⑤自分の考えのプロセスから構成される。特に、この中の①関心表明、②反復確認、③話が具体的になるための質問のプロセスが大事。「仕返ししたいの?」「どんなことがあったの?」と、息子さんのつらい気持ちを吐き出させるように、コミュニケーションをしてみる。とことん聞いてあげる。自分の考えは、いらない。

親は⑤の自分の考えを言うことに終始しがちだが、反復確認できちんと話すこと。当事者は、敏感に親の気持ちを推し量っている。親が同じ環境に立つためのプロセスが反復確認。当事者のアンケートの回答トップは、「もっと私の気持ちをわかって」。特に啓発型や発達障害の場合は、否定的な事は言わない。助言・忠告・指導は言わずに、とことん話をきいてあげるしかない。共感と同意は違う。つらい気持ちをわかってというのは、「濡れないように親が傘(助言・忠告・指導のこと)を差してくれることではなく、一緒に濡れてほしい(共感)」という、ある当事者が表現した例を挙げて、相談コーナーは終了しました。

(M.F)

11月14日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

最近世の中、ほとんどすべての問い合わせや申し込みがパソコンやスマホでしかできなくなってしまい、そういう機械に不慣れな自分たち世代は本当に困っているという話で具体例がたくさん挙げられて大いに盛り上がりました。

それから、あちこち具合が悪くて日常生活(主に家事)が思うようにできないけれど、まだ介護保険未満の現状では手助けしてもらう方法が無い、どうしたらよいのだろう、どこを手抜きするのが良いのだろうか、いろいろな意見が出ました。

(S.T)

10月活動報告

10月28日(土)学習交流会

参加者10名(会員9名)

豊田秀雄先生の今年度2回目の交流会です。最初に先生からこの会は参加する人が元気になって帰ってもらうことが目的なので、学習するのではなく、交流してほしいとのお話がありました。この会では、お互いに名前を覚えることも大切だし、ここで話されたことは外では絶対に出さないように約束してほしい。ここだけだったら何でも話せる、という場にしたい。と繰り返されました。

その後、先生ご自身が今まで関わってきたお仕事について簡単にお話されました。その中身は、「計画相談をしていて依存症の人と会うことが多い。子どもの虐待にも関わっている。精神保健福祉士養成の実習の指導。」などご自分の経験を共有してもらえれば良いと思う、とのことでした。

それから、前回と同じように一人ずつ最近の様子や気がかりな事、将来の心配などを出し合いました。

その中で、病識が無く医療に繋がらないで困っている方には、他の参加者に同じような経験をしたか、そのときどう対処したか、を尋ねました。先生のお話では、どこの家でも経験していると思うが、無理やり病院に連れていくことは難しい、症状が出て警察に保護してもらった方が医療に結びつきやすいとのことでした。先生はまた、家族は自分が先に死んだらどうなるだろうと考えている人は多い。残された子どもが食事の支度ができることはすごいが、今はコンビニもある。ただし、コンビニばかりでは金銭的負担も多いので、金銭管理が必要となる。とのお話でした。

今回は、集まった会員の話から、共通の話題を取り上げてアドバイスをいただき、考え方の道筋をつけていただきました。交流会後の個別相談はありませんでした。             (S.T)

10月10日(火)集いの会

参加者4人(うち会員4人)

最初に自分の体調管理のための方策や、家事をどこまできちんとやるか、どこまで具合が悪くなれば公的な手助けを得ることができるかなどが話されました。

また、遠くの病院への通院がたいへんな事や近くのクリニックの紹介などの情報交換もされました。自分だけでなく、夫の体調不良や飲んでいる薬の話が出て、行きつくところは、親亡き後病気の子どもの心配です。ひきこもっている現状を何とか変えたい、ということで話は終わりました。

(S.T)

9月の活動報告

9月23日(土・祝)学習交流会 多摩市障害福祉課 平松課長をお招きして

出席者21人(うち会員20人)

長い夏日もやっと終わったかなと感じた休日でした。開始10分前頃からいつも参加してくれている人から日ごろお目にかからない人まで来場、残暑が続いていた祭日での企画だったので参加者が少ないのではと心配していましたが、臨時の席を急いで用意する嬉しい事態になりました。時間通りに高村さんの司会で開始。平松課長さんの簡単な自己紹介のあと本題に入りました。

まず、多摩市の状況に関しては新しいデータもとに説明がありました。多摩市の人口総数はここ数年ほぼ横ばい、ご多分に漏れず高齢者が増え、出生率が減っています。障害者手帳を持っている人の増加は微増ですが他の障がいに比べ精神が増えています。10年前に960人だったのが今は2000人以上、特に18歳から64歳の働き盛りの人が1760人と大きな数字となっていることは本人にとってはもちろん家族の心労も大きなことを物語っています。市の一般会計587億円中民生費が300億円を占め、必要な人に援助が行き届かない背景も伺い知ることができます。世界の動向に伴い国の法整備も整い、障がい者への差別をなくすための合理的配慮の必要性も謳われ、時代は少しづつですが変化してきました。現在、市では障害福祉に関わる計画を策定中です。12月にはパブリックコメントが公募される予定ですので声を上げてください、とのことです。

多摩市おける障がい者の相談件数は約2万件その中の半分以上が精神障がい者に関する相談です。その精神障がい者に対応するために専門家による地域包括ケアシステム構築協議会が令和4年11月からスタートしています。多摩市が具体的に取り組んでいる事業は各種障害者手帳の受付、心身障害者福祉手当や難病に対する各種手当の給付,日常生活用具や補装具などの給付、医療費や交通費などの助成、障がい者の就労支援など地域で暮らす上で身近で大事な案件です。相談業務としては、障害福祉課で対応するために保健師、精神保健福祉士等の専門職9名を窓口に配置しています。また、2か所の地域活動支援センターがあり、総合福祉センターの「あんど」は社会福祉協議会に、桜が丘の健康センター内の「の-ま」は正夢の会に委託しています。

平松課長に用意していただいたレジュメに沿ってのお話後、サンクラブ多摩がまとめた市への5項目の要望書が読み上げられ、平松課長からお答えをいただきました。一つ一つの要望は必要と認識していながらも負担を伴う要求はハードルが高いようです。また、サンクラブ多摩宛郵便物を総合福祉センターでの受け取りに関してはセンター事業としての扱いが難しいとしながらも検討してみるとの回答でした。

その後、参加者からの質問や要望を受けました。

まず、他の障がいと違い手帳の有効期限がありその都度申請しなくてはいけない。市から有効期限前に通知が欲しい。高齢化に伴い本人も親も煩雑な手続きに対応できなくなっている。(同様の意見2件)合わせて市から送られてくる書類が難しくもっとわかりやすい文章にならないかという要望も出て同調者も多数ありました。

参加者からの情報でそのような書類などの管理は計画相談員さんが見つかると安心して任せられるとの発言がありました。計画相談員さんの情報が欲しいとのご意見に対して、市が発行している「福祉のしおり」の後ろの方に案内があるので参考にという平松課長からの案内もありました。また、自立させたいが持ち家なのでいざという時に生活保護を受けられないのではと心配している親御さんのお話もあり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

皆さん、抱えている問題も様々ですが、このように同じような悩みを抱えていることも実感しました。行政との話し合いの大事さも改めて感じ、これからも相互の理解を深めるために続けていきたいものです。

(KH)

9月12日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

最近入会された方がいらっしゃいました。高森先生のお話を聴いて、今まで自分の子どもに対する態度が間違っていたとわかったので、こういう機会に皆さんとお話したいということでした。一通り子どもの病名や兄弟の有無、かかっているクリニックや病院のこと、今住んでいる所など皆で話し合いました。そんな中でお互いに子供の頃住んでいた所が割と近い、ということが分かって、共通の話題で盛り上がったりして、子どもの事より自分たちの話題で楽しく会話が弾みました。

ご自身の病気で3,4か月お休みしていた方が、「家にずっといてほんとうに話したかったわ。子どもの心配っていうより、話すっていうことに飢えていたの。」とおっしゃったのが印象的でした。

(S.T)

 

8月の活動報告

8月9日(火)集いの会

出席者 3人(うち 会員3名)

先月同様ものすごく暑い日で何人集まるかが心配でしたが、この会を楽しみにしている方々が参加してくださいました。暑い中での生活上の工夫など日常生活が話題になり、先月同様自分の体調不良と行き届かない家事へのいらだちなどが話されました。新しい方が入ってくれないと同じ話になってしまうから、と新しい方の参加を心待ちにしている参加者一同でした。

(S.T)

8月5日(土)SST講演会「みんなでやろう 家族SST」

参加者 23名(うち会員10名)

今回で60回を重ねた高森先生の公開講演会。HPを見て参加されたという方々を含め4名の方が初参加でした。長年懸案だったサンクラブのHP開設が、悩みを抱えて手探りの家族につながっていることがわかり、総会で開設を決定したものの役員の知識不足による立ち上げの苦労が報われたことを感じました。

◆まず相手の現在位置を認める ~2つの家族会での質問を通して~

全国の家族会で講演をされている高森先生は、横浜青葉区の家族会で、参加者全員が2人ひと組になり、SSTの会話を練習した際のエピソードから話された。家族が良かれと思い言ったことで、当事者が参ってしまう受け止め方をする場合があるので、家庭の中でストレスを受けない会話を学ぶ練習です。終了後、20年以上参加しているまじめなお母さんから質問があり、「SSTのポイントである反復を意識し息子と話しても、息子は質問には答えてくれず、自分の言いたいことだけしか言わないので、会話が成り立たない。どうしたらいいか」ということでした。この時、先生は港北区の家族会の催しで質問された父親の事例を話したそうです。

その男性は最前列に座り、講演終了後、「フィンランドのオープンダイアローグがすごくいいと思っている。娘にこれをやりたいが、まったく娘は自分と会話してくれない。どうしたらいいか」という質問だったとのこと。オープンダイアローグ(開かれた対話)は、患者の気持ち・発言を大事にし、徹底的に患者と家族、複数の専門家が対等な立場で話し合いを重ねることで生活を立て直していくもので、5年後には85%が薬なしの人生(治ったわけではないが、症状が抑えられ、薬漬けにならない人生)を過ごしていることに、世界中の医師がびっくりしたという治療法である。

どうして娘さんは会話をしてくれないのか? いつも父親に高圧的な態度で上から目線で言われるから嫌なのか?  頭がまだ混乱している病状で、ちゃんと父親に話せるか不安だからなのか? 娘の心の中の理由を考えてみることが大事。話題になっている治療法を聞き、ぜひ娘にやらせたいという息ごみだけでは、会話はできない。まずは、お父さんが娘のレベル(現在位置)に合わせてあげることがスタート。それが「現在位置を認める」ということ。相手の返事を求めない。おはようという明るく短い会話だけをする。それをまめに重ねると娘さんも気が楽になってくる。家族が当事者の人権を認めて寄り添うと、開かれた関係になってきて、初めてオープンダイアローグは可能になる。お父さんには、そう答えたそうです。

この事例を紹介し、次に、息子さんが質問に答えてくれない母親の悩みについて、「息子さんには、母親がまた何か言ってきて、自分の気持ちをかき回すのではないかとの思いがあるではないか。お母さんは、息子と言葉のキャッチボールをしたい要求が強すぎるので会話が成り立たない。息子の心を開けず信頼関係ができない。オープンダイアローグはいい方法でも、相手に合わなければ成り立たない。まず、お母さんが自分を変え、息子のレベルに合わせる。それが今を認めること。短いやり取りでも相手に合わせて明るく働きかけることの積み重ねで、信頼関係をつくる」というのが、高森先生の回答でした。

現在位置を認めるということで、先生が具体的に紹介されたのが、大声を出した場合の親の対応についてです。当事者が大声を出すことは、間々あること。親はやめさせたいが、現在位置を認めるというのは、まずは大声を出すことを認める。「ストレス発散のために大声出すのは一番いいんだって。我慢すると病気が悪くなるから」と肯定し、その後に「だけど、近所の人はびっくりして怖がるよね。ご近所関係が悪くなるから、相手に聞こえない工夫してくれるとお母さんうれしい」と言って、4500円ぐらいする消音機付きの叫びのツボを勧めて購入してみる。今はそんな商品もある。これが、当事者の現在位置を認める方法。つい、親は周囲のことが頭に浮かびやめさせようとしがちですが、説教するのでなく、自分の思いに応えてくれた親への信頼につながるアプローチです。

◆伊勢田先生の「精神疾患は治らないし、治す必要もない」をめぐって

昨年6月に、川崎の家族会が元都立多摩総合精神保健福祉センター医院長の伊勢田先生を招いて講演会を開催したが、その内容が難しく、でも何か大事な事を言っていると感じ再度開催を望む声が高かったので、1月に同じ先生を招いて同じ資料を使って実施したそうです。通訳的な役割を期待された高森先生も一緒でした。伊勢田先生の講演のポイント「精神疾患は治らないし、治す必要もない」は、以下のような内容です。

・精神疾患の再発予防は困難なことが分かっており、今は予後改善計画(治らなくても社会復帰は可能な状態へ)ということになっている。

・それは、生活特性を統御して生活の安定化・社会適応の改善を目指すこと。

・統合失調症は治る。25年後の長期転帰研究で47%が自立している。

・人生が行き詰まると調子が悪くなり発症し、行き詰まりが解消されると回復する。治りきりにはならないが、行き詰まりが解消されるといつでも回復できる。むしろ、治そうとすること自体が治りにくくさせる。

・最大の障壁は精神疾患への偏見・差別。

伊勢田先生の「精神病は治らないし、治す必要もない」の言葉は、ショックな響きの言葉だが、生まれつき敏感な個性を持ってストレスで病気になった当事者の個性は、治したり、治せるものではない。当事者の意思を尊重し環境を調整していくこと。医師から「貴方の育て方が悪いわけではない。貴方のかかわり方次第では、よくも悪くもなる」と言われても、具体的にどうすればいいのかがわからず、親は良かれと思い、際限なく治そうとストレスを与え続けてしまう。

伊勢田先生の講演内容ポイントを高森先生が次の家族会でわかりやすく解説されたそうです。以下がその内容。病気だからそうせざるを得ない症状を親がいじろうとすると、余計悪くなる。親が治そうとしても治らない。原因は周囲が作っている。ストレスで脳が疲れて起きるのが統合失調症。環境を整え、ストレスを上げないようにすることが大事。親の指示や助言は、病気の当事者の意思と一致しないとストレスになり、環境や状況の変化もストレスになる。親が「私が治さないと」と良かれとする事が必ずしも本人に良いとは限らない。本人の意思を尊重し、身体の中から湧き上がる本人の回復力を大事にすること。伊勢田先生の言葉は、「退院後、どう接すればいい?」という親からの質問に対し、「医師も薬も治せない。弱っている子どもの元気が出るように育て直す」というのが真意である。心を育て直し自信のある人間に育て直すことが大切。そのための当事者にストレスを与えないコミュニケーションの方法を学ぶ必要がある。

◆当事者の今を認めたことが起こした変化 ~2つの事例から~

川崎の家族会の会長で全国の家族会の役員でもあった方は、奥さんがなくなり、家事が全くできない息子と自分との二人暮らしになった時、「息子にすべてを任せよう」と決心した。ずっと引きこもりだった息子は、お湯を沸かす程度しかできない。コンビニで毎日同じ物を買ってくる。何も言わずに任せてその生活をしていたら、3年たって息子から「お父さん、ありがとう。今までの人生の中で一番充実している。今は尊敬している」という手紙が来た。すべてを任せたことが、今の息子を認めたことにつながり、自分が変わったことが息子に変化を起こした。自分はこれまで変われない親だったと述懐していた。財布も息子に任せたので、新聞4紙をとって社会情勢にも詳しくなっているそうだ。

もう1例は、お母さんが良かれと思うことを30年間やり続けたケース。くたびれて息子の面倒も見切れなくなり、「もう何も言わない、面倒を見ない」と宣言した。そうしたら、息子が元気になってきて、「30年間墓場の中で息をひそめてきた人生だった。今は友達が欲しい。髪をピンクに染める」と言い出す。驚いた母親がSSTで相手の気持ちをわかるための会話を繰り返し実行したら、「目立つことで声をかけてもらいたい、友達をつくりたい」という気持ちの表れだったことが分かった。家族が自分の気持ちわかってくれたことがうれしく、息子は髪をピンクに染めるのはやめた。

この2つの事例は、一切口出しをしない、相手の今を認めることができたという共通点がある。それが寄り添うということ。周囲が味方になることが大事。一生懸命に何かいうというより、ほめるように持っていく必要がある。言葉の端々で当事者は傷つきやすい。SST(ソーシャル スキル トレーニング)は、アメリカのリバーマン先生が考案した開かれた対話をするための技術。当事者の再発の防止や生活の質の向上に効果がある。次のようなプロセスを踏む。

①     関心表明(態度であらわす)視線・身を乗り出す・手を使う・はっきり大きい声・明るい表情・話の内容が適切

②     反復確認(相手の言葉を繰り返す 第一声を引き受け否定しない)

③     相手の話が具体的になるための質問(想像力で聞きだす)

④     共感の言葉(同意ではない。共感と同情は異なる。本当の共感は寄り添うこと)

⑤     自分の考え

親は、すぐ⑤の自分の考えを言いがちだけれど、当事者は調子が悪い時ほど、ただ聞いてほしい。辛さをわかってほしい。助言や忠告はいらない。①②③を丁寧にやること。

◆お困りごと相談の事例とSSTロールプレイ体験

2回目の入院中の娘さんが、退院した後のことを心配されているお母さんからの相談事例に絡めて、参加者全員が2人1組になり、母と娘の役でSSTの実習に挑戦! 寄り添っているつもりで一心同体になっていたり、質問が出ない、すぐ自分の考えを言ってしまう、当事者の立場に戸惑ったりと、皆さん笑いながら苦戦していましたが、いろいろな気づきがあったようです。

お困りごと相談に対する高森先生からのアドバイスは、「退院後は脳の疲れをとるため、作業所やデイケアに行くというより、しっかり眠らせること(朝の眠りは脳にいい)。責めない(今を認め安心して元の状況に戻れるように)。一人遊びの時間を大事にし、そこから意欲につながり外に出ていきたいという気持ちが生まれる。そこで本人の意向を踏まえて次の段階を考える。環境変化で周囲に敵が増えると幻聴が増えるので、まずは、家族・お母さんが味方だよと伝わるように、とことん話を聞いてあげ対応することが大事」。

ここで終了時間が来て、先生は会場外で別の相談にも応じてくださいました。(Y.F)

 

7月の活動報告

7月22日(土)学習交流会 豊田秀雄氏を囲んで

参加者11名(会員 10名)

昨年度の2月においでいただいた豊田秀雄先生の今年度1回目の交流会です。コロナの流行以前のように総合福祉センターの501研修室でした。先生の指示通り、お互いの顔が見えるようにテーブルを囲んで席に着きました。

最初に先生からこれからのこの会についてのお話がありました。「当事者がどうした」という話ではなく「私がどう思う」という話がしたい、ここだけだったら何でも話せる、という場にしたい。ここの話で皆さんが『心の健康』になれば良いと思う。

私なりのルールとして次のことを守って欲しい。

① 人の話を批判しない。

② ここで話されたことを外で話さない。

③ 自分にとっての良い情報は頭の中で持ち帰って欲しい。

その後、先生ご自身の最近の出来事のお話があり、出席者一人一人の発言に移りました。

こういう形で先生とお話したのは初めてだったので、ほとんどの人が自己紹介的に病気の子どもの発症からその後の経過と現在の悩みについて語りました。

全員の話が終わった後、先生からは「自分を主語にして話してほしい」と言ったのに、そのようにできた人はごくわずかだった。皆さん抱え込み過ぎている。自分を主語にして自分を褒めてください。皆さんの不安は当事者に伝わります。と言われました。

確かに親が安定すれば子どもも自然と良くなる、と先生のおっしゃることは頭では理解しているつもりです。しかし、日々の困りごとをなんとか解決の方向に持って行きたいと思っている参加者は、なかなか簡単には頭の切り替えが難しいと思いました。

交流会後の個別相談は1件でした。

(S.T)

 

7月11日(火)集いの会

出席者3人(うち会員3人)

まだ梅雨明けにはなっていないのに、朝から太陽がギラギラ照り付けるものすごく暑い日でした。

最初に「嬉しいことがあったの。」と子どもの自発的な行いを話してくれた方がいました。そこから各家庭での毎日の生活が話題になり、この暑い夏をどう乗り切るか、自分の体調不良と行き届かない家事への非協力的な家族に対する不満など、良いことも悪いこともたくさん出ました。

最後に「こんなこと自分のきょうだいに言ってもわかってもらえないし、ここに来ればみんなわかってもらえて、いろいろな情報ももらえるからね。」と担当としては嬉しいひと言をいただきました。

(S.T)

7月5日(水) 高森先生個別相談

相談者3人

サンクラブとしては昨年12月に続いて第2回の個別相談で、先着順の申し込みはあっという間に定員に達し、締め切られました。

当日相談を受けた中のお一人は、家族構成や発症後の経過などを書いた紙を用意して臨んだそうです。 高森先生は自分の話をしっかりと受け止めてくださって、「とっても辛い思いをしてきたのね。たいへんだったわね。」 と今までの苦労を優しく労ってくださったそうです。 個別相談に来ることができてほんとうに嬉しかった、と話されていました。

(S・T)

6月の活動報告

6月24日(土)グループホーム「ハピネスいち花」見学会

参加者12名(会員11名)

京王堀之内駅に集まった会員は当事者一名を含め総勢12名。 梅雨に入っているとは言え、予報は曇り、時々日が差す程度で気温の高くなる心配はありましたがまずまずの見学日和です。 集合時間10時には全員が集まり予定通りの路線バスに乗ることができました。 真面目な見学会とは言え久々の外での活動で解放感も手伝いウキウキ感も否めません。 ちょっとした遠足気分です。 「東住宅入り口」で下車した時には施設長の村上さんがお出迎え、12名のおばさん集団にびっくりした(ごめん、一人若くてかわいい参加者がいました! )ご様子でした。 ヤマボウシが咲き乱れている住宅を歩くこと5,6分、手入れの行き届いたお寺さんの手前2階建てのアパートが2棟、手前が少し前に建てられた知的障がい者のグループホームでその隣が目的地の「ハピネスいち花」、新しいマンション風の建物です。

玄関前での説明。 中央の男性が村上さん。

村上さんの案内で一階の空いている部屋を見学、ドアを開けたとたんに明るい日差しが入り込み新しい家具、調度品と相まってまさにマンションのモデルルームの様! 「いいな」、「いいな」、と言いながら備え付けの洗濯機、冷蔵庫、レンジなどあっちこっちを開けたり、触ったり。 奥のお部屋は29㎡(約8畳)の広さで涼しげなカーテンが付いています。 ガス、水道・光熱費などは個別メーターが各戸についていて入居者負担、お部屋でのインターネットの利用は今準備中で無料になる予定だとか。

一階廊下の奥の部屋は交流室。 リビングにはソファ、テレビが置かれ、隣の食堂には大きなテーブルが3つ、周りに椅子が並んでいます。 ここで平日の朝と夕の決められた時間に栄養士さんの作った食事を食べるそうです。 各お部屋からも交流室からも青い芝生が見えますが、交流室の前の芝生は広々としていい風が入っていました。 そこでの全員、村上さんを囲んでの話し合い。 「いち花ってイチゴの花のことです。イチゴの花は枯れない花です。」 村上さんの最初の一言。 そうか、「いち花」ってイチゴの花のことかとここでグループホーム命名の意味を納得。 村上さんは精神障がいの息子さんをお持ちで お連れ合いの死後、親の会に関わり今日に至っています。 家族としての悩みを十分理解しておられ、親や親せき以外の社会資源を使って生きることを覚えていくことが親亡き後の大きな力になると自立の大切さを訴えていらっしゃいました。 入居のしおりに沿ってお話が続きます。 入居資格は3点あり

・精神障害者(発達障害も含む)であって支援区分2~3(4でも可の場合あり)の人

・障害者手帳を有し、現在通院先がある人

・紹介者推薦書 (通院先の主治医、親の会の会長さんなどに書いてもらう)

利用料金は48000円(内訳 食事代30000円、家賃15000、共有部分の光熱費3000円)

さあ、どうでしょうか? お支払いできそうですか? 何より平日の朝夕栄養士の方の作ったご飯が食べられることはありがたいですね。 もちろん本人の意志が大事で、入居の条件に本人が見学して、試験的体験を2泊3日~実施することを原則にしているそうです。 今、住んでいる方はまだ2人、これから入居が決まった人からお部屋が決まっていくそうです。 相談窓口(080-2135-7708)土日を除く平日の10時~15時受付。 通過施設なので3年間の期限付きですが頼りになる村上さんの元、社会への一歩を踏み出しませんか?

(K.H)

6月23日(金)東京つくし会評議委員会

参加者1名

昨年と同じく会場は下北沢タウンホールでした。 真壁会長の挨拶で始まりました。 新型コロナが5類に移行になり私たちの日常生活も少しづつ元に戻りつつあります。 今年の1月には東京つくし会の事務所を世田谷から調布に移りました。 つくし会にとって大きな出来事です。 又、2月にNHK・Eテレで放映された「精神科病院、闇の実態」で滝山病院における患者に対する拘束や暴行の実態が明らかになりました。 滝山事件は一精神科の問題ではなく毎年のように繰り返される精神科病院の虐待、人権侵害に終止符を打つために、精神科医療がもつ、構造的な問題を見直されなければなりません。

来賓の挨拶では、都議会厚生委員長、各政党の都議会議員からは一人約1分間のスピーチがあり、滝山病院の事件は大きな問題で、再発防止に向けて取り組みたいと、多くの方から心強い発言がありました。 行政からは東京都精神保健医療課長が出席しました。 滝山病院虐待防止委員会の立ち上げがありました。 月1回の開催で1回目は院長の挨拶、経過報告、病院内の見学などがありました。 つくし会からは植松副会長が参加しました。

財政面について、厳しさは続いていますが収入の大きな増加が見込めない中、現在、つくし会役員の江頭さんのご厚意により、低家賃、今までの約3分の1でつくし会事務所を借りれることになりましたと言うお話でした。提案された2022年度事業・活動報告及び2023年度事業活動計画は全て承認されました。詳しい内容につては7月以降の「つくし便り」に掲載されますので是非ご覧下さい。

・午後から講演会がありました。

テーマ:長期入院の精神障がい者の地域移行支援を考える

~病院から出て地域で暮らすために何が必要か~

講師 :日本社会事業大学名誉教授 古屋 龍太 氏

(K.F)

 

6月12日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

しばらくぶりに参加された方がいました。ひとしきり、それぞれの家での最近の様子などを話し合った後で「今日は私、話をしたら泣いちゃうかと思っていたんだけれど、こんなに笑うなんてびっくりしました。」とおっしゃっていました。

集いの会では、あまりみんなで笑い合うということは少なvvいのですが、楽しい事でも辛い事でも、お互いに分かり合えるのが嬉しいですね。「分かり合える」ということを再認識した一日でした。

(S.T)

 

5月活動報告

5月20日(土)2023年度通常総会

(会員17名)               

  昨年に続いて、今年は来賓をお招きすることなく会員のみで通常総会を開催しました。藤岡責任代表の挨拶のあと、61名の会員中17名出席、委任状35名で総会が成立したことが宣言され、会員の本多さんが議長に指名されて議案の審議に移りました。

1号議案の「2021年度を振り返って」の中では、コロナ禍の続く中で会員以外にも広く呼び掛ける大きな講演会は企画しませんでしたが、年間計画の学習交流会を予定通り実施し、秋のハイキングなど新しいことにも取り組んできたことが高村代表の説明があり、懸案事項だった相談について、高森先生の個別相談を1回実施して好評だったことが報告されました。

2号議案の決算報告では、落合代表が欠席のため、村石会計担当役員から2件の寄付があったことなどの結果、次年度の繰越金が前年度を上回る額になったことが報告されました。続いて本山監査委員からは帳簿、現金について間違いないことが報告されました。

3号議案の活動計画と予算案では藤岡責任代表から年間テーマは昨年同様の「地域で安心して生きるために」が発表されて、村石会計担当役員からはその裏付けとなる予算案の説明がありました。

4号議案の役員体制は、長く広報を担当されていた須藤さんが協力員に代わりました。

1号議案から4号議案までそれぞれ賛成多数で承認されました。

 総会終了後の懇親会では、テーブルを輪にしてまず

協力員の紹介がありました。次に、それぞれの近況報告がなされました。

◎妄想がひどくて困っている。

◎夫と息子の仲が良く無くて困っているなどの話がありました。

◎20代から40代まではとても困っていたが、

今は落ち着いてグループホームを経てひとり暮らしをしている。記念病院のワーカーさんがとても頼りになるというお話をされた方もいました。

◎入院中に妄想によって消防や警察に電話してしまい、騒ぎになって困った、主治医に相談したいのになかなかそのチャンスがなかった。やっと主治医に会えて直接薬を増やしてほしい、と言ったらやっと少し薬が増えたが、主治医と相談できないのが困る、という方もいて、主治医との意思疎通の難しさにも話が及びました。

◎通院しておらず、一日中ひきこもり、家族中の生活が乱されて困っている、どうしたら良いか、と切実に訴える方もいました。

なかなかすぐには解決できない問題が多いのですが、中には会員同士で経験談を伝え合ったり、相談先など良い情報が得られる場合もありますので、懇談会にはぜひご参加ください。   (ST)

5月9日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

 今回は、強迫神経症の症状が酷くなり、家族中が振り回されて困っているという方がいました。中に同じ病気の方がいて、病名が同じでも症状が様々だというお話になり、病名や症状、その時の家族の対応、現在に至るまでの医師の対応など病気を中心した話で終始しました。

集いの会は少人数で今困っていることなど、何でも話せる場です。どうぞ、一度覗いてみてください。                              

(S.T) 

4月活動報告

4月22日(土)学習交流会

参加者 12名(内 会員12名)

今年度1回目の交流会です。2021年「みんなねっと東京大会」分科会の記録DVDを皆で見ました。テーマは「誰もが人生の主人公~子離れのススメ・親亡き後の準備~」です。助言者1名・問題提起者4名の方が一人ずつ経歴、現況、活動について等のお話があり、内容を要約しました。

■佐野文宣氏 (多摩草むらの会 当事者)

大学卒業後、一般企業に就職、過労により33歳の時「うつ病」発症。入院、引きこもり生活を送っていたが41歳の時、多摩草むらの会と出会い、B型作業所に通所し、グループホームに入居、卒業後は一人暮らし。3年前からはグループホームのOBとしてピアスタッフとしても活動。今年の8月からは正式な雇用契約を結びパートスタッフとして登録している。実家は高齢で病気がちな父母と長い間引きこもっている47歳の弟がいます。病院に繋がっていない弟のことが心配です。

■根間あさ子氏 (多摩草むらの会 当事者)

12歳で「統合失調症」の診断を受ける。入院、引きこもりの生活がつづいており20歳前後から少しづづ外に出られるようになりました。親が、私が学校に行かず家にいることを受け入れてくれて初めて、家で安心して過ごすことができるようになりました。30代~40代は元気で結婚し子供にも恵まれました。60歳を超えてから精神保健福祉士の資格を取りました。今は多摩草むらの作業所「パソコンサロン夢像」でスタッフとしてお手伝いをしている。相談支援センターで電話相談を通して共に考えるという仕事をすることが生活の中心になっています。

■上村茂氏  (多摩草むらの会 支援者)

市役所に勤務、定年後2019.4月多摩草むらB型作業所「パソコンサロン夢像」に勤務。夢像は定員50名、現在登録者数は125名、毎日平均40名が来て活動をしています。親亡き後の準備についてAさんの例は母親が生前から行っていた機関誌を届ける仕事を継続することで地域の人たちとの繋がりを持って生活している。心配なのは地域の中で孤立してしまうこと。親がご近所や自治会を含め様々な地域活動やネットワークと繋がっていることが大切です。 Bさんの例はグループホームに入居。人とのコミュニケーションが苦手。市の担当ケースワーカーが積極的に関わって訪問診療を入れ少しずつ状況が改善。役所は生活の様々な窓口です。ちょっと敷居が高いと思われているが困ったら気軽に住まいの役所に相談をしてみてください。市の担当職員と顔見知りになることも大切です。

■増田一世氏  (やどかりの里理事長 助言者)

今日のテーマ「一人一人が人生の主人公になろう」と言うこと「やどかりの里」も同じキャッチフレーズです。今、みんなが主人公になりえていない現状、なぜそうなのか、一概には言えないが、社会保障の脆弱さがあります。今330名の方が登録しています。圧倒的に親と暮らしている方が多いです。親の生計をもとに暮らしを立てています。家族への依拠があり、そうならざるを得ない状況があります。変えようとする動きは少しずつあり、一人暮らしのステップが出来ている。サポートステーションやグループホームです。家族だけで一人暮らしの準備をしなくてもよいのではないか、誰かの力を借りてもよいのではないかと思います。支えてくれる人をどうやって探していくのか、ここに地域格差が出てきているがいろんな地域で良い活動をしている所があります。

■渡部伸氏  「親亡き後」相談室・行政書士・社会保険労務士

最後に渡部先生の話を聞くことになっていたのですが突然、映像と音声の調子が悪くなり、やむを得なく中止することになりました。「親なき後」の相談室の活動については「みんなねっと東京大会誌」に要約したものが掲載してあり、そのまま記載しました。

〇「親亡き後」の課題は3つ

・お金で困らないための準備をどうするか

・生活に場をどこに確保するか

・日常生活の フォロー~困った時の支援はどうなるのか

〇「親亡き後」の悩みを相談したい場合、窓口がばらばら

・住まいや福祉サービスは行政や計画相談、成年後見制度は社協などが運営する後見センター、相続などお金のことは民間の専門家

・それぞれの親が対応してくれそうな相手を課題ごとに自力で探さなければならない

・そもそも悩みが漠然としている場合は、課題が何かも明確になっていないので相談先が無い

〇「親亡き後」相談室があると、とりあえずここに行けばOK!

・相談窓口が一つなので、いろいろな課題への対策を示してもらえる

・漠然とした悩みに対しても、相談ができて次への指針がしめされる

・具体的な悩みが見えてきたら、専門家を紹介して、個別に対応してもらう

〇相談室の目的と機能

・早い段階から不安を話すことで、親たちそれぞれが、ことが大きくならないうちに準備が必要なことを知り、準備できる状況を作る

・何かを解決する場ではなく、あくまで予防的な対応をする場所

・病気でいえば、重病になってから大病院にかけ込むのではなく、ちょっと体調が悪いと思ってかかりつけの医者に行く、そんなイメージ

〇アドバイスのポイント

・住まいや暮らし方から考えると、お金や支援者など親亡き後の生活を支える仕組みが組み立てやすい

・本人の希望が最優先

・定期的な収入と日中の居場所、それぞれの確保が重要

・成年後見制度の利用はあわてずに

・きょうだいの心情に配慮

・家族だけで抱え込まず、地域を巻き込む

・一番大切なのは、悩むご家族の話を聞く姿勢!

〇全国の「親亡き後」相談室

・7月10日現在77カ所、福祉系(社会福祉事業団、親の会・・・) ファイナンス系(行政書士、司法書士、FP、保険業・・・)

・地域の専門家同士で連携するネットワークも有効

ビデオ鑑賞は残念ながら中断をしましたが、話し合いの時間を長く持つことができました。新しく入会されたお二人の方が参加され、一人ずつ自己紹介、近況報告ができました。一人一人が抱えている状況やら悩みは様々です。このような交流会の大切さを改めて思いました。今年度もどうぞよろしくお願いします。

(K.F)

4月11日(火)集いの会

出席者 3人(うち会員3人)

集いの会はここのところ人数の少ない月が続いて、3人でした。最初は親の体調不良の話から始まります。それから、TVでみた滝山病院の話題に移りました。どうしてあんな病院が許されているのか、ほんとうに酷い、と口々に感想を述べ合いました。また、自分の子どもが最初に行った病院での処遇など、滝山病院ほどひどくはないけれどひどい病院はたくさんあるようだ、精神を取り巻く医療全体の問題だと憤りをあらわにしました。

集いの会は少人数で何でも話せる場です。どうぞ、一度覗いてみてください。

(S.T)

4月1日(土) 「みんなでやろう家族SST」第59回 高森信子先生

                                     参加者 34名(うち会員15名)

5か月ぶりの高森先生の公開講演会は、新たに参加された方が多く、父親の立場で熱心に耳を傾けていた方が複数いらっしゃったのが印象的でした。他地域からの参加も多く、切実な思いの家族に寄り添う学びの場が必要なことを、いつもながら痛感しました。最初に高森先生は「お医者さんは、あなたのやり方次第で子どもの病気は良くなると言うけれど、カルテ用語が多く、具体的にどうすればいいのかまでは話してくれない。家族、特に親の関わり方は、閉ざされた家の中では難しい。親は善意の塊、愛があるゆえに、良かれと思って子どもへの指導や助言の際限がなくなる。言われてよくなる病気ではない」と口火を切られました。そして、明治から昭和の詩人・作詞家の西条八十が作詞した童謡についてふれられました。「唄を忘れたカナリアはうしろの山に捨てましょか。いえ、いえ それはなりません」で始まるこの歌は、作詞家本人の体験から生まれたそうです。家族のため自分が働かないと立ち行かず、大学を辞めて働きづめだった頃の辛い思いが反映しているとのこと。2番では「小藪に埋める」、3番では「柳の鞭で打つ」という過酷な表現が使われ、4番で「唄を忘れたカナリアは 象牙の船に銀の櫂 忘れた唄を思い出す」というフレーズで終わっています。この唄は精神科の患者と重なるということで、詩人の体験が生んだ表現は、辛い行為に「それはなりせん」と謳い重ね、最後は、環境を整える方が良くなることを謳っているという内容でした。

専門家の医師の講演会は、専門用語が多く家族にとっては難解のため、素人に分かる言葉で話すということで専門家から評価されているという高森先生。元都立多摩総合精神保健福祉センター医院長の伊勢田先生の家族会での講演会で、お話が理解できず、改めて高森先生に通訳してほしいと依頼があったそうです。高森先生は、「精神病は治らないし、治す必要もない」という講演会の中での伊勢田先生の言葉の真意について、「心の病は愛で癒す」という小冊子や事例を通して以下のように解説されました。

◆小冊子「心の病は愛で癒す」から

高校生で発症した統合失調症の息子を持つ呉慎次郎さんがボランティアで作成された「心の病は愛で癒す」という小冊子。高森先生は全17編の掲載寄稿文の中から、まず「自由こそ治療だ! イタリア・20世紀の精神医療大改革」について触れられた。精神医療改革を成しとげたイタリアの精神科医バザーリア先生は、「狂気は、生活環境によって増長されるので、環境によりその危険性を抑えることは可能であり、病院は狂気を増大させる」と主張した。これを家族の関わり方にあてはめると、家族がSSTを学ぶ意義が浮かび上がる。統合失調症を発症する子は生まれつき敏感という個性が強く、親が喜ぶような子になろうとして、脳が疲れ果てて思春期に発症するケースが多い。「家族は『絶対なおるよ』と言ってあげ、本人の意思を尊重し、育て直しという視点で子どもの成長を待ってあげることが大切」と言及された。良かれと思い親が次から次に助言・忠告・指導をしてしまうことが、バザーリア先生の言う「生活環境によって狂気を増長される」現象につながっているという指摘です。

また、息子の回復のために、国を超えてこれと思う専門家にも寄稿を依頼し小冊子を作るほどの行動力の持ち主である呉さんについて、息子の視点からの先生の考察を述べられた。息子への強い思い・責任感と行動力ゆえに、息子の気持ちを聞かずにすぐに実行してしまう呉さん。息子はその善意もわかり、親に頼らざるを得ない自分の生活を思うと何も言えず、がんじがらめになっている。親はそれに気づいていないので一生懸命で、息子の状況が一向に変わらないこと。一方、北海道の「ぺてるの家」では、家族関係が悪い当事者同士が集まり共同生活をしていて、そこには、親から離れて距離を置き仲間の中で成長していく姿があること。この対比から、親の思いではなく、本人が本当に欲しているものをあげなければ、子どもに通じないのではないと指摘された。

◆当事者の意思を尊重し、湧き上がる回復力を大事に!

次に、家の中で父親の戸主意識が強いと、治そうと子どもをがんじがらめに支配してしまいがちなことを、全国の家族会での事例から具体的に紹介された。病気の部分を親が治そうと必死になると、そこから、かえってこじらせてしまうこと。家族は「どう治すかでなくて、どう生きるか」の視点で対応する。当事者の生活ぶりを見て本人の志向を支援することが基本。病気が悪化する原因は周囲が作っている。ストレスで脳が疲れて起きるのが統合失調症。環境を整え、ストレスを上げないようにすることが大事。親の指示や助言は、病気の当事者の意思と一致しないとストレスになり、環境や状況の変化もストレスになる。親が「私が治さないと」と良かれと思ってする事が、必ずしも本人に良いとは限らない。本人の意思を尊重し、身体の中から湧き上がる回復力を大事にすること。「退院後、どう接すればいい?」という医師への質問に対し、「医師も薬も治せない。弱っている娘さんを元気が出るように育て直してください」という回答を通して、高森先生は、心を育て直し自信のある人間に育て直す大切さについて強調された。

◆親がストレスにならないために

ほめ上手になることを実行すること。相手の都合にあわせ、深追いはしない。お願い上手になって、当事者ができそうな事の選択肢を2つ用意する。上からでなく自分で選んだように感じることで、信頼感ができる。できることを少しずつ増やしていくと、健康の矢印が増えて病気の分が減っていき薬の量が減ってくる。治すのではなく、結局は生き方の問題! 伊勢田先生の「精神病は治らないし、治す必要もない」は、このことを指している。

FMさんの丁寧な記述はまだまだ続きます。この続きはサンクラブだよりをご覧ください。

3月活動報告

3月31日(金)片倉城址公園ハイキング

参加者7名

寒暖差が激しい日が続いていますが、こ の日はとても良いお天気でまさに「ハイキング日和」、公園の近所にお住まいのIさんの案内で春を楽しむことができました。

青空の下お弁当を食べて
団欒

公園に入るとすぐ緑の中にいくつもの彫刻が展示されていました。まるで森の中の美術館に迷い込んだようでした。水芭蕉の湿地を抜けると満開のしだれ桜がひしめき合う広場に出て、その美しさにはびっくりしました。丘陵の遊歩道をゆっくりと散策しながら上っていくと途中西側の斜面にはカタクリの群生が広がり、野草も数えきれないほどあって、そのたびに植物に詳しい方から「ニリンソウ」「ヒトリシズカ」「ヤマルリソウ」などと名前を教えてもらいました。坂を下ると斜面はヤマブキソウの群生地で、黄色い大きな花が何本か咲いていましたが、まもなく一面に咲くそうです。緑の濃い美しい沢のベンチでめいめい飲み物を飲んで一休みしました。

その後は一番の高台(二の丸跡ということですが、)になっている広場までひとがんばりです。広場の周りには桜の大木が何本も満開になっていました。花びらの舞う木の下で輪になってお弁当を広げ、食後のデザートやらお菓子やらが輪の中を飛び交っていました。食後は、一人の方が「うちの子は明日グループホームに入所するの。」という話から、話題がどんどん広がって、日頃の悩みや知りたいことなど話が尽きず、時間を忘れておしゃべりしました。

帰りは兵衛川の桜並木を見ながらのんびり歩き、八王子みなみ野駅で解散になりました。ほんとうに楽しい一日でした。

(F.K)

 3月18日(土)精神保健福祉講座「親亡き後の金銭管理と役所からの手紙の処理」

多摩市社会福祉協議会権利擁護センター長 浦田純二氏

出席者14人(会員12名)

多摩市では桜が咲き始めたころで、今日の学習会には私たちの日頃の心配事の助けになればと講師に権利擁護センター長の浦田氏をお迎えしました。

◆権利擁護センターとは

全国どの市町村にもある社会福祉協議会の中にあり、日常生活に不安のある高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、福祉サービスの利用手続きや財産管理の援助、悪質商法や複雑な契約や相続等についての相談、助言を行っています。また、成年後見制度や手続きの支援をしています。

◆福祉サービス利用支援事業(あんしんサポート・たま)

権利擁護センターが行う事業の一つで「福祉サービスを利用したいけれどどのように手続きしたらよいかわからない」「家賃や公共料金の支払いを忘れてしまった」「郵便物の確認や諸手続きを手伝ってほしい」「通帳や印鑑、権利証の場所がわからない」などの不安が相談できます。 利用できる方は、多摩市内で在宅生活され、福祉サービスの利用支援が必要な以下のいずれかに該当し、ご本人の意思で契約できる方が対象です。

① 認知症高齢者で、判断能力が十分でない方。

② 知的障害、精神障害があり、判断能力が十分でない方。

③ 判断能力はあるが、身体障害や高齢などの理由により、支援が必要な方。

確定申告は本人に代わって申告をすることはできませんが、その手伝いはできます。金銭に関して、本人との契約なので本人が使いたいと言った場合は、アドバイスすることはできても拒否はできません。本人の意思が優先されます。利用料金は1回1時間まで1,500円、1時間を超えた場合は30分までごとに500円が加算されます。

◆成年後見制度

認知症や障害などで判断能力が不十分なために財産管理や契約などの法律行為や生活上の支援が必要な方に対して、家庭裁判所が選任した後見人・保佐人・補助人が本人を支援・保護します。判断能力が回復しない限り本人が亡くなるまで続きます。成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があり、後者は現在判断能力に問題ないが、将来に備えたい方に向けたものです。

成年後見制度の検討を考えるとよいと思われるとき

・自分で定期預金の解約ができない。

・本人が不要な契約を繰り返し行っている。

・本人名義の不動産を処分することができない。

・知的障害、精神障害のある子どもの親亡き後が心配。

費用は申立てや鑑定費用として5万~10万円。後見人への報酬額として月額3万~5万円が必要とされている。生活保護受給者など、報酬が払えない場合は支援事業制度を利用することもできる。

〈質疑応答〉

Q:成年後見人に本人から不満が出た場合、センターに相談できますか?

A:専門のオンブズマンに橋渡しして、引き継いでもらえる。 任意後見制度では、親亡き後例えば兄弟をえらぶことができるが、本人の判断能力が無くなった時、用意していた後見人が亡くなればそこで止まる。

Q:親が倒れたときのために前もって利用できますか?

A:できるが、本人がどの程度の能力があるかを見るために1ヶ月くらいかかる。タイミングとしては、親も子も必要となった時点で利用するのが良い。ただ、本人にとって急には難しいので、事前に他人が入って接することで慣れてもらうのも必要。

Q:「あんしんサポート」から成年後見制度に結びつくでしょうか?

A:「あんしんサポート」を日頃から使っていると、いざという時に使いやすいこともある。

Q:任意後見制度をスタートさせるには何から始めるのでしょうか?

A:医者に診断書を書いてもらい、規定の書類(たくさんあります)を作成して家庭裁判所に持って行く。

Q:精神の場合、本人の判断が難しいので「あんしんサポート」で相談できますか?

A:財産の整理はやらないので、親族に申立てを勧める。

Q:金銭管理はグループホームなどの施設でやってもらえますか?

A:施設によるが、「あんしんサポート」ではやる。

Q:後見人の候補者選びで、お金が無かったらやってもらえないのでしょうか?

A:候補者として手が挙がらない場合もあるが、お金が無いから選ばれないということは無い。生活保護の場合は都が負担するので受けられる。

Q:「あんしんサポート」で息子の一人立ちの手伝い(グループホームやアパート探しなど)をしてもらえますか?

A:「あんしんサポート」だけ単独ではやらないが、地域活動支援センターなどの協力でやれる。

Q:「あんしんサポート」をいつから使うのがよいでしょうか?

A:本人が困ったと思ったときが声掛けのタイミング。

質問が途切れなく続きました。いかに日頃皆さんが悩み、心配されているかが伝わってきました。問題を抱え込まずにこのような相談機関を大いに活用して、少しでも解決に結びつけていくことができれば、と改めて思いました。

(H.H)

3月14日(火)集いの会

出席者 3人(うち会員3人)

久しぶりの方が見えて、「日帰り旅行に行ってきて、いつも一緒にいる障害の子どもの事を考えないで一日過ごすことができた。」と報告がありました。「親が自分の楽しみを見つけると子供は元気になる」とは、いろいろな場面で先生方から言われる言葉です。そうは言っても、子どもの方が親から離れることができないお家もたくさんあるみたいですが・・・。

親のストレス解消法や子供の頃の不登校についても話題になりました。

(S.T)

2月活動報告

2月25日(土)学習交流会 「精神障害と家族の悩み」豊田秀雄氏

出席者19人(うち会員19人)

代表の落合さんに坂田先生に代わる身近に相談できる人として紹介していただいた豊田先生です。お会いするのは初めてでした。冒頭、先生も「皆さんに見られている感じ」のような発言もあり先生もちょっと緊張されている様子。私たちも負けずに緊張しながらお迎えした交流会でした。

「ともに穏やかに生活するために~臨床の中で思う事」先生が自分のお話に付けた演題です。それに沿ったお話と思いきや最近ニュースを賑わしている八王子の滝山病院話から各地の病院の不祥事など穏やかならぬ話の展開にびっくり。「この病院しか空いてないと」言われて入院した場合運命が決まるんですね~。病院によっては精神疾患と関係が薄い透析などするところがあって「医は算術」です~。全部私見ですという落ちがありましたが、私たちも病院を選ぶ時はきちんとした情報を持っての判断が必要なのだということを改めて思い知らされました。

先生の略歴は、1994年から千葉県の精神科病院で医療機関での臨床をスタート、1990年から都内初となる精神科小規模デイケアを立ち上げそこに通う方を中心に家族会を組織、作業所づくりにも取り組んでいる。その後相談支援専門員として各種依存症、子どもの虐待やひきこもり対策など幅広く活躍をしている。その間、多くの自治体や病院、そこで働く人たちや家族の会との繋がりができ、声がかかればどこにでも飛び歩き正に八面六臂の活躍。無理がたたってかご自分も白血病にかかって・・という。ご自分の私見、多彩な略歴を40分で話された。当然、早口にならざるを得ず参加者はなかなかついていけなかったと思う。後半、「皆さんお元気ですか?」「どうしたら健康になりますか?」「健康じゃないと支援ができません」という問いかけに皆さんのスイッチがはいったと思います。

その後休憩を挟んで座席も車座になっての参加者の悩みに答える懇談に移りました。

①精神疾患とアルコールの問題についての参加者の問いに対して、「もしかしたらアルコール依存症の切り口から入っていった方がいいかもしれない。精神科で依存症の知識がある先生はなかなかいない。自立のためにグループホームに入れてもそこに支援者が入ってもらえるかが鍵。グループホームは補助金が出るので通過型が多いのでその後も見据える必要がある。」

⓶息子をグループホームに入れる相談をしたら日中活動がないので難しいと言われた。地域に帰ると大声を出すのでケア付きのグループホームがないか?の問いには「地域移行支援をする事業所があるので相談したらいい。でもその事業所は少ない。」

年三回も水中毒で倒れた、入院したら閉鎖病棟だったという人には「一般病棟で言うICUに入ったというのと同じで、命に係わる状況なので水中毒の場合は慎重に判断する必要がある。」

④お子さんの現在の状況が全くわからない、という方には「本当に心配だけど見守るしかない」と寄り添う言葉をかけてくださいました。

これらのやり取りの中で制度上の課題も明らかになりました。慎重に言葉を選びながらお話をなさる様子に誠意を感じ、今後の長いお付き合いを望む思いでいっぱいです。(KH)

2月14日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

最近は以前のようには体が動かないため、日常の家事が捗らないという話が出ました。税金の確定申告など以前できていたこともとても億劫で、精神的にも肉体的にも老化を感じるということが異口同音に話されました。

具体例が次から次へと出てきて盛り上がり、最後に一人の方が「今日は病気の子どものことを全然話さなかったわね。」と締めくくりました。たまにはこういうおしゃべりの会も良いのかも知りません。

毎日の困りごとはたくさんあり簡単に解決できませんが、 この会で話すことによって、少しでも気持ちが楽になれれば良いと思います。親の気持ちが落ち着くと必ず病気の子どもに良い影響が出ると今まで助言者の先生からも言われています。今まで参加したことのない方もどうぞ一度のぞいてみてください。  (S.T)

1月活動報告

1月10日(火)集いの会

出席者 4人(うち会員4人)

最近は以前のようには体が動かないため、日常の家事が捗らないという話が出ました。税金の確定申告など以前できていたこともとても億劫で、精神的にも肉体的にも老化を感じるということが異口同音に話されました。

具体例が次から次へと出てきて盛り上がり、最後に一人の方が「今日は病気の子どものことを全然話さなかったわね。」と締めくくりました。たまにはこういうおしゃべりの会も良いのかも知りません。

毎日の困りごとはたくさんあり簡単に解決できませんが、 この会で話すことによって、少しでも気持ちが楽になれれば良いと思います。親の気持ちが落ち着くと必ず病気の子どもに良い影響が出ると今まで助言者の先生からも言われています。今まで参加したことのない方もどうぞ一度のぞいてみてください。

(S.T)

 

1月28日(土)新年会

出席者22人(うち会員20人)

一年の中で一番寒いという時期、1月28日の土曜日にコロナでしばらくできなかった新年会を開催しました。日本中が寒波に襲われ特に日本海側の都市は大雪に見舞われていました。会員がどのくらい来てくれるかしらという心配もありましたが、当日は朝から晴れ!22人が集まって楽しいひと時を持つことができました。

まず代表の藤岡さんの挨拶で始まりました。時間が惜しいと言わんばかりにメインイベントの歌い始めがスタート、お馴染みの植村さんの伴奏で4つのグループからのリクエストに応じて一回りしたころには少しずつ声が出てきて気分はノリノリ。そこで当事者のMさんのソロ「この広い野原いっぱい」、物おじせずとても堂々と歌い上げて拍手喝采。あっという間に時間が過ぎ「今日の日はさようなら」の歌で余韻を残し終わりました。

お楽しみ会後の話し合い

10分のお休み時間を挟んで高村さんの進行で集まった皆さんの近況報告やなんでも相談の懇談の場でしたが、最初はなかなか出なかったお話も最近入会した人を紹介して感想をお聞きすると「久しぶりで歌って楽しかった。」「今までひきこもりがちだったが参加してよかった。」などのお話が聞けてコロナ禍でいろいろ心配があったが開催してよかったとしみじみ思いました。また、精神疾患の対応など様々な視点からの情報も欲しいとの意見、相談窓口が前の顧問の坂田先生に依存していたので新しい人材を探すのに苦労している、などの代表の話があり有効な情報交換の場となりました。

例年ならお弁当や会員の方の手作り漬物や果物が出て賑やかな新年会でしたが、福祉センター内の食事は禁止されているので、飲み物としてペットボトルのお茶だけが配られて、焼き菓子とクッキーの詰め合わせのおみやげという簡素な新年会でした。でも、同じ悩みを持つ親たちの孤立を防ぐためにも共有する場は大切なことを実感した新年会でした。 (K.H)

1月10日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)

最近入会された方が初めて参加されました。先輩会員の話からいろいろな情報を得たいと期待されて見えたようです。参加者それぞれが、いつごろからどんな風だったかを話していくうちに、共通の事が見えてきました。それは、病名が診断医によって全く異なるということです。統合失調症と言われてその薬を飲んでいたら全然違うと言われて別の治療を開始したけれど、それも親から見たらしっくりいかない。とか、病院からクリニックに変えたらまったく薬が変わったけれど、困った症状が全然取れなくて困っている。とか…。それだけ精神の病気は、難しくて一つの型にはまるような典型的な病状の人はいないのかもしれません。

毎日の生活で悩んだり落ち込んだりすることがたくさんあると思いますが、この会で安心して病気のことを話し、気持ちが少しでも楽になれるように続けて行きたいと思います。今まで参加したことのない方もどうぞ一度覗いてみてください。(S.T)

 

12月活動報告

12月13日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)
最近の暮らしぶりをそれぞれが話していきましたが、被害妄想がひどくて困っている方はほんとうに疲れた様子でした。
いろいろ話していくうちに、役所からの通知が分かりにくくて面倒なのでついつい後回しにしてしまう、と言う方がいました。ほかの人たちは、その封筒を持って役所の窓口に聞きに行けば親切に教えてくれるから、絶対にほっといたらダメ、自分が不利になるだけだから、とアドバイスしていました。
                                 (S.T)

12月3日(土)高森先生の個別相談

個別相談の希望者、3名の方から申し込みがありました。
一人の方は時間の都合で30分間になってしまいましたが、今回はゆっくりとお話ができたように思います。 最後の方が車で来ておられ、先生を唐木田駅まで送っていただきました。ご協力ありがとうございました。
このような個別相談の場を今後も作っていきたいと思っています。
(K.F)

11月活動報告

11月26日(土)錦秋の薬師池公園

参加者10名     
11月の学習交流会はたまには外へ出て歩きましょう、ということで公園の紅葉狩りになりました。前日の天気予報通り、朝から細かい雨が降っていましたが、小雨決行ということで、タクシー組と現地集合組の合計10人になりました。予定通り永山駅を10時に出発、タクシーであっという間に薬師池公園に到着、蓮園の入口で現地集合の人たちと合流しました。
蓮池にはもう枯れて色の変わったハスの葉が一面に広がり、来年はハスの花を見に来たいね、という声があちらこちらから聞こえてきました。
ぶらぶら歩いていると、池の手前で案内係の
ボランティアと思われるおじさんが現れて、
この薬師池公園は江戸時代の灌漑用水だったことを説明してくれましたが、皆池の周りのモミジ、イチョウの赤と黄色、松の緑と鮮やかな紅葉の美しさに目を奪われて、スマホで写真を撮ったりしていて、説明をちゃんと聴いている人がいたかどうだか…。それでも、今は枯れ木のように見える所は、梅林だとか、藤棚のフジの房が長くてとても見事だとか、花菖蒲の棚田が上までずっと続いているとか、一番上の薬師堂まで行くととても良いとか、たくさんの説明がありました。
ホームページ掲載用に記録写真をFさんのお嬢さんとMさんのお嬢さんに頼んだので、彼女たちは一生懸命に写真を撮ってくれました。
歩いているうちに雨も上がって、この公園の中で一番紅葉のきれいな場所だという説明があった所で、この案内係の人に集合写真を撮ってもらいました。美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに…。
もっとのんびりしていたかったけれど、ランチに予定している「薬師池公園四季彩の杜」のカフェレストランはいつ行っても混んでいます。そのためお昼は早めにとることにしました。
薬師池公園はすり鉢状の公園で、一番下の池から「四季彩の杜」までは一旦上の道路まで上がり、芝生の広場からレストランまでまた下りなければなりません。腰や足の痛い人にはちょっと辛い道のりだったかもしれません。
カフェレストランに着いてみると、ラッキーなことに10人の大テーブルが空いていたので皆でまとまってテーブルを囲みカレーのランチセットを堪能ました。たまにはお弁当ではなくてレストランで食事をするのもいいものです。皆でひとつの話題を話し合うことは無理でも、お隣同士でのたわいないおしゃべりもコロナ禍では久しぶりストレス発散です。
お昼頃から日も差してきて、公園で遊ぶ親子連れも増えてきました。レストランも少しずつ混んできたので少し早めにおしゃべりを切り上げてそこを出ました。
カフェレストランのすぐ下に町田の地場野菜販売所があり、新鮮な野菜のほか、町田産のジャムや乳製品などいろいろなものが並んでいて目移りします。主婦はこういう場所に来ると、がぜん張り切ります。買った野菜をリュックにギュウギュウに押し込んでいる人、しっかり用意してきたエコバッグに詰め込んでいる人、皆満足そうです。
迎えを頼んだタクシーも時間通りに来たので、現地組とはここでお別れになりました。今日参加した人のお家では、夕飯には販売所で仕入れた野菜が食卓に上り、薬師池公園の紅葉の話題で盛り上がったことでしょう。
                                   (S.T)

11月5日(土)第58回高森先生の公開講演会「みんなでやろう家族SST」

参加者 26名(うち会員12名)
全国を飛び回り、心の病の家族を抱えて悩む人々に、SSTの学びを伝えている高森先生。コロナ禍で困難だった家族会の活動が、最近は各地で再開され多忙になられたせいか、思わぬ出来事(移動の電車の乗換ミス・講演予定日時の失念等)に遭遇され、自分でショックを受けたそうです。「老化現象で注意力がなくなってきた」と言いながらも「どんどんと皆さんに伝えたいことが増えていて、初めて参加する方には、特に伝えたい!」と冒頭から意欲的! 会場に元気を分けていただきました。
◆小冊子「心の病は愛で癒す」から必読の8編
高森先生は、高校生で発症した統合失調症の息子を持つ呉慎次郎さんが、強い熱意で作成された17編が収録されている小冊子を出され、公開講演会初参加の方に配布された。この中で、ぜひ読んでほしい原稿として、以下を紹介された。
⇒ ①「自由こそ治療だ! イタリア・20世紀の精神医療大改革」、②「オープンダイアローグは、愛の活動そのものです!」、③「仲間の力」、④「ビューティフル・マインド」、⑤「人生のレポート」、⑥「脳と脳以外の回復」、⑦「ビタミン愛をあげましょう」、⑧「人の強さとは、何か?」の以上8編。
①は、精神医療改革を成しとげたイタリアの精神科医バザーリア先生の話。②は、患者と家族、医師等の専門家が対等な立場で心を開いて会話する中で、回復を目指すフィンランドの治療法の海外からの紹介。④は、アメリカのノーベル賞を受賞した統合失調症の学者の伝記について。我が国の精神科の医師として優れた実践をされている方々の寄稿が⑥と⑧。そして、高森先生やシスター、ソーシャルワーカー等、様々な立場で活躍されている方の経験・実践からのエピソード(③・⑤・⑦)です。
高森先生がいつもポイントとして紹介されるのは、バザーリア先生の「狂気は、生活環境によって増長されるので、環境によりその危険性を抑えることは可能であり、病院は狂気を増大させる」という言葉。病院を家族の関わり方にあてはめると、SSTを家族が学ぶ意味が理解できる。精神科医の神田橋條治先生が、「統合失調症を発症する子は敏感に生まれてきてしまった個性で、いい子をやる。親が喜ぶような子になろうとして、脳が疲れ果てて思春期に発症する」という主張をされており、高森先生はこの説を引用して、「家族は『絶対なおるよ』と言ってあげ、本人の意思を尊重し、育て直しという視点で子どもの成長を待ってあげることが大切」と言及された。
◆子どもの成長にあわせて待ってあげる!
小冊子の制作者の呉さんの長年の親子関係、ある家族会で統合失調症の息子さんを自殺で亡くされた母親の話、新聞の人物写真の目をぐるぐる丸く塗りつぶす幼児の行動に悩む母親からの話。これらの事例を通して先生が指摘されたのは、良かれと思って親が次から次に助言・忠告・指導をしてしまうことが、バザーリア先生の言う「生活環境によって狂気を増長される」につながっていること。次の高森先生の言葉の中に、親として考えさせられることがたくさんあった。
「親が子どもを引きずりあげて病気がよくなるものではない。親は、子どもの成長に合わせて待ってあげてほしい。あなたが大事と伝えて手を握って、何か決めるときは本人に聞いてほしい! 本人の身体の中から湧き上がる回復力を大事にしてほしい。親の指示や助言は、本人の意思と一致しないとストレスになる。また、状況が変わるのも、病気の人にはストレス。良かれと思うことが必ずしも良いとは限らない。子どもからすればいい迷惑! 本人の意思を尊重してほしい。息子さんを自殺で亡くされたお母さんが『私は待ってあげられなかった』と言っていたことを皆さんに伝えたい」。(MF)
 以下省略 高森先生のお話はまだ続きます。サンクラブ多摩だよりをご覧ください。

11月8日(火)集いの会

出席者4人(うち会員4人)
親なきあとを考えて、兄弟を独立させるつもりで住まいを準備したところ、勤めていた会社の移転で通勤が遠距離になり、独立させることが難しくなったと悩む方がいました。将来のことを考えることは大切ですが、外的要因で思った通りに計画が進まないこ
ともある、ということをこのことから学びました。
また、毎日子どもを見ていて、様々な例からテレビなどで「知る」、話をして意味を「理解する」、日常生活の中で誰でもがやっていることが「できる」というのが繋がらないの
が精神の病気の人たちの特徴ではないのか、と話題になりました。
                              (S.T)

10月活動報告

10月22日(土)精神保健福祉講座「親なき後の準備と成年後見制度」

(特定非営利活動法人成年後見ウィル 理事長 阿部 由美さん)

参加者24名(内会員22人)

【講師自己紹介】               

娘が一歳の時に、娘に難病と知的障害があることが分かる。娘は今38歳。娘が3歳の時に国分寺市に転居、そこで「手をつなぐ親の会」に入会し仲間と活動を行ってきた。精神障害の子を持つ「歩む会」の人とも知り合い、個別相談の機会も持つ。そこで今日の機会を持つことが出来た。2003年国分寺障害センター【三障害対象】で障害支援の仕事に従事し、6~7割が精神の人だった。現在は、NPO法人成年後見ウィルを立ち上げ活動している。

(以下お話の抜粋です。詳細はサンクラブ多摩だよりを参照してください。)

1.自分がいなくなったら残された子どもたちはどうなるだろう

・いくらお金を残せばよいの

・お金の管理は誰がしてくれるの

・どこに住むの

・日頃の見守りは誰がしてくれるの

・本人に困ったことがあった時に誰が相談にのってくれるの

・病状が悪化した時に誰が病院につなげてくれるの

・子どもが介護が必要になった時にはどうなるの

―親亡き後の準備をしていなかったある事例―

母と賃貸住宅で二人暮らしだったが、母が亡くなり一人暮らしになった。障害基礎年金を通帳からおろして生活していたが、年金の更新手続きをしていなかったために残金がなくなった。買い物が出来ないため食事がとれず、自宅で倒れているところを親戚のおばさんに発見されて、精神科病院に入院している。支援をうけて生活することを拒んでいるため退院のめどがたっていない。<準備をしておくことが大事>

2.親なきあとの課題を整理すると

①お金で困らないための準備をどうするか

②生活の場はどのように確保するか

③日常生活で困ったことのフォローをどうするか

3.お金に困らないための準備 その1

子どもは「親が死んだら自分が困る」ということは十分わかっていて不安に思っている。子どもが一生働けないことを想定したプランをたてておくことも一案。「サバイバルプラン」そのプランを子どもと共有することで、子どもの漠然とした不安が軽減して働けるようになった人もいる。

※親の資産・負債の洗い出し→親の残す資産を確認をしておく事が必要

※親の収入・支出の確認

※親の住み替え→親の緊急入院や介護を想定(介護費用:平均75000円/月)親の今後の生活・支出がどうなるか

※子どもの収入・支出→本人の収入{障害基礎年金の確認は大事}と支出を把握し、1年間の過不足を計算する                            ウィルあんしんノートの活用→支援者へ託すノートを法人独自で作成               子どもの将来への不安を抱えている親の不安を整理し、未来をイメ-ジできる内容になっている。

3.お金に困らないための準備 その2

遺言を書く  ・自筆証書遺言  ・公正証書遺言※遺言執行者を決めておく

3.お金に困らないための準備 その3、その4信託を利用する

3.お金に困らないための準備その5

お金を管理する仕組みを知り利用する

※日常生活自立支援事業 →社会福祉協議会が行っている

※成年後見制度を利用する→レポート6を参照してください。

4.生活の場の確保

〔Ⅰ〕親が居なくなった後どのような生活があるか

◎グループホームに住む→①サテライト型→障害者グループホームが本体住居となっており、本体住居で食事や交流を行い、それ以外の生活を行う場 ②日中活動交流型→一日を通して過ごせる等種類は増えている

◎ひとり暮らし→居宅介護事業や自立生活援助などのサービスも利用できる

持ち家があっても資産価値によっては生活保護を受けられる

◎兄弟や親族と暮らす

〔Ⅱ〕ひとり暮しを想定した住まいの準備

◎小さめの家に建て替える   ◎賃貸併用住宅に建て替える

◎マンションに住み替える   ◎賃貸物件に住む

5.日常生活で困ったときのフォロー

◎福祉サービスを上手に利用する

◎地域に知り合いを作っておく

◎様々な関係者にチ-ムで支えてもらう…・主治医も含めて

◎兄弟に頼りすぎない…・兄弟は我慢してきた

親の望みは「本人らしく生活していってほしい」事だと思う。その一つのツールが「成年後見制度」です。6の項目では、後見制度について詳しく書かれているので、レポートを参照してほしい。

7.何からどう始めたら良いか(親あるうちに準備すること→亡くなった後という意味ではない)

◎本人と家族で話し合う  ◎一人暮しの練習をする  ◎子どもの情報をまとめておく(ウィルあんしんノートなどに)  ◎親なきあとの準備を始めるのは大事

ウィルの親なきあと相談とは

◎解決することではなく不安をだす→課題を整理・見える化

◎何かを解決する場ではなく、予防的な対応をする

無料なので気軽に来てください。  (TM)

10月11日(火)集いの会

 10月11日(火)集いの会  出席者 5人(うち会員5人)

初めて参加の方が見えました。以前から一度行ってみようと思っていたけれど、ついうっかり日にちが過ぎてしまったりしてなかなか来られなかったとのこと。毎日の事で特別困ったことがあるわけではないけれど、これから先のことなど他の方々はどのように考えているのか知りたいということでした。

そのうちに一人二人と参加者が増えてきて、今は高齢になった夫と病気の子どものために自分が頑張らなければと思っているけれど、だんだん自分の身体もきつくなって家事が負担だという話で皆が盛り上がりました。買い物に出ても重い荷物を持って帰るのがたいへんという方には、スーパーの中でも買った品物の配達はどこのスーパーが安くて便利、など日常生活の情報交換もありました。

日頃の細々した事でも人と話しているうちに気づくこともたくさんあります。毎月第二火曜日の13:30~15:00総合福祉福祉センター5階の障がい者団体共用室をのぞいてみてください。

(S.T)

9月活動報告

9月22日(土)学習交流会

参加者10人(内会員8人)

台風15号の影響での土砂降り、そして時々雷鳴がとどろく中、学習交流会「ピアサポートで得られたもの」と題して多摩市でNPO法人「縁」を主催している澤田恭子さんのお話を聞きました。
一人で頑張ってこられた活動家というイメージから想像できなかった小柄な方でした。
おだやかな語り口でまずはご自分の生い立ちからお話が始まりました。両親が共稼ぎだったため、幼少期は一人ぼっちで過ごし、小学校の時もお友達ができずに「温かい家庭」をあこがれていたそうです。高校時代にただ一人心を許した彼と周囲の反対を押し切って結婚、一児を設けたが両親との不仲に加え、互いに若かったこともあり離婚。その間、のどに異物があるような違和感があり呑み込めない症状がで、医者に掛かるが、異常はないということで精神安定剤を服用することが始まりました。この時期10年間で十数回入院を繰り返す中、現在の活動につながる決定的な経験をしています。それはある病院に入院した時同じ患者のひとから「こっちにおいでよ」と声をかけられたことです。同じ悩みをもっている仲間がいる、(退院したら)入院してた人と外で会いたい、ピアサポートになりたいと思ったそうです。
活動の最初は任意団体でのスタートでしたが、もっと広い範囲での活動を目指し、仲間を集めやっと10人あつめることができNPO法人を立ち上げました。このことは勇気と自信につながっています。今の活動目標は①長期入院を減らしたい②当事の相談場所を作る⓷地域で暮らせるお手伝いをし、居場所を創ることです。当事者と一緒に考え模索していきたいそうです。
活動内容は茶話会や病院訪問の他「いい感じでいるための自分取扱説明書を作る」ラップクラスを作ったり、「自分自身の今までの体験を話す」リカバリーストーリーの発表をしています。
病院訪問で感じたことは、なかなか病院のスタッフには言えない本音が聞けることで、多くの人が地域で暮らしたいと望んでいることです。しかし、そのノウハウがイメージできないので一歩が踏み出せないでいる現状があります。なるべく多くの人との繋がりを大事にその一歩を踏み出せるお手伝いをしたいというお話でした。
その後椅子をまるく並べての懇談会。澤田さんの茶話会に参加している当事者も参加してそれぞれの立場での意見交換がありました。
NPO法人化の手続き時の人集めやその後の活動などの苦労話はあまり聞かれず、何だかふわーと活動している印象ですが、そこが彼女の魅力かもしれません。
親の会の活動に関してはあまり当事者に負担を感じさせないように親御さんも自分の楽しみや親の会でも楽しい企画を持ったらとのアドバイスをいただきました。
参加した会員の中にも子どもとの付き合い方に悩んでいる方も多く、同感しながらも現実に悩んでいる様子も吐露されその辛さも皆さんで共有できました。様々な立場の人との話し合いは一人でもっている重い思いを軽くすることができるから大事なのですね。                       (KH)

9月13日(火)集いの会

出席者 5人(うち会員5人)

今月も起床時間や食事、入浴など日常生活での困っていることから話が始まりました。そのうちに子供の時にいじめられたことが話題になり、全員がいじめられた経験を持っていました。そのために不登校になった人もいました。また、大人になってから引きこもるようになった人もいましたが、一様に長い間生きづらさを感じていたことは共通していました。

集いの会では直接解決に繋がらないことも多いですつきが、日々の辛いことを仲間うちで共感できます。毎月第2火曜日に総合福祉センター5階の障害者団体共用室でやっています。気軽にご参加ください。

(S.T)

 

8月活動報告

サンクラブ多摩だより9月号から

「親亡き後に備える」(会員からの投稿です。)

7月にNPO法人成年後見ウィルの個別相談に行ってきました。まだ、何をどのように準備すればよいのかわからないので、一からの相談です。まず三つ、大事なことがあります。

①住む場所

②お金の管理等

⓷身の回りと日々の生活

困ったことがあったときに相談できるところ

そして、本人がどのようにしたいと思っているか、タイミングを見て家族で話し合ってみる。今できるところから、始めてみませんか?

(M.I)

*今後、学習交流会で「NPO法人青年後見ウイル」の方を招いてお話を伺う予定でいます。乞うご期待!!

8月9日(火)集いの会

出席者 4人(うち 会員4名)

今月も暑い中で家からほとんど出ない病気の子どもの暑さ対策など日常生活で困っていることが話題の中心になりました。

また、妄想が一段とひどくなって親がその対応で疲れ切っている方のお話を伺いました。親が手紙で主治医に訴えても薬が変わらなかったということで、この方は万策尽きた、というような感じでお話なさっていました。暴力が無くても、親にとっては辛い毎日だと思います。集いの会に助言者がいたら、と切に思いました。

集いの会では直接解決に繋がらないことも多いですが、日々の辛いことを仲間うちで共感しています。毎月第2火曜日に総合福祉センター5階の障がい者団体共用室でやっていますので気軽にご参加ください。

(S.T)

7月活動報告

7月2日(土)高森先生の公開講演会が「家族の悩みを語る場」に!

参加者29名(内会員13名)

第57回の高森先生のSSTの公開講演会。会場は、猛暑の中、病気の家族を抱えて当事者との関わり方のヒントをつかみたいという参加者でいっぱい。先生が見えるのを今か今かと待っていました。初めての参加の方も多いため、先生がお見えになるまでの待ち時間を利用して、役員の方がサンクラブの紹介をしました。

駅まで先生を迎えにいった役員の方から、高森先生が急においでいただけなくなったとの連絡が入りました。先生は、前日、長野まで講演に行かれ、夜遅く帰宅されたそうです。疲労と暑さがご高齢のお身体に響いたのでしょうか。こんなことはこれまで一度もなかったそうです。いつも私たちが先生からパワーを分けて頂いているのですが、今年の猛暑は、お元気な先生にとっても、相当ダメージが強かったようです。お迎えの役員の方が会場に戻り、「せっかく、家族会の学びの場に来ていただいたのだから、役員がリードしてみんなで語り合ってみたら」という高森先生からのメッセージを伝えて、グループに分かれて、家族の悩みを語り合う場に変更することになりました。

(語り合いの中から一部紹介します)

病識がなかった息子に診察を受けさせるため、「親がおかしいから病院に行くなら、自分がついていく」という息子の言葉を受け止め、父親の診察券を作り親子で診察を受けた事を思い出し、そういう方法で病院に行くことを相談して、診察につなぐいだという経験談でした。

それを受け、実際のその当事者である子ども自身が、発症時の状況について具体的に話してくれました。病識がなかった時や幻聴が起きている時の状況、太る副作用が嫌で、勝手に断薬して再入院になったことや、じぃっとしていられずに意図しない無謀な行動をしてしまったこと。2回目に服薬した薬が自分に合い、徐々に病識が出て服薬もきちんとするようになり、長い時間を経て、現在は企業の特定子会社で障害者就労についていることなどの話でした。親の視線で語られがちな問題が、当事者が病状の変化にそって具体的にどんな状況なのかを話してくれたことで、別の視点が加わり、改めて高森先生が提唱する「ビタミン愛をあげる」ということが、指導でも助言でもない、当事者に寄り添うということだと、それぞれ再確認した感じでした。       (MF)

7月23日(土)学習交流会

参加者 10名

暑い一日でした。2回目のDVDを見ました。ズームの調整ができず両端の一部が映らない状態でしたが約1時間30分、集中して見ました。「みんなねっと東京大会」の特別講演は東京都立松沢病院名誉院長の斎藤正彦先生です。テーマは首都東京の精神医療を考える~都立松沢病院の取り組み~です。

先生は2012年7月から2021年3月まで松沢病院の院長をされました。この間に4つの経営目標を掲げて取り組んで来られました。先生のお話を聞き病院の詳しい経営の様子を知ることができました。都立松沢病院の役割、存在の大きさを改めて感じました。講演の内容は「月刊みんなねっと」2022年1月号に要約して掲載されています。同封しましたので是非ご覧下さい。

大会2日目は4つの分科会に分かれての講演・交流会がありました。テーマは①地域移行 ・地域生活支援を考える。②精神疾患からの回復をどう支援するか・就労支援を通して。③なぜ子供は暴力を振るうのか?暴力はどうしたら止むのか?④誰もが人生の主人公・子離れのススメ・親亡き後の準備。それぞれの記録DVDが届いています。貸し出しをしていますので希望される方はお知らせください。

今日は新しい方を迎えました。「たま広報」で高森先生の講演会を知り7月2日、2回目に参加して入会されました。短い時間でしたが息子さんの様子や親の関わりの難しさなどのお話を伺い皆で話し合うことができました。

(K.F)

7月14日(火)集いの会

参加者3名(会員)

今月は、一切外に出ない子どもの食事の仕方(家族と摂るか一人で食べるか)、入浴の仕方、部屋の掃除のタイミングなど日々の暮らしの細々した事が話題になりました。親のこうあって欲しいという思いと現実との狭間に揺れる毎日です。

集いの会は、だれでも気軽に参加して日常気にかかることなどを話しあう場です。少ない人数でそれぞれの過程でこまっていることや工夫していることを出し合っています。毎週第2火曜日です。気軽にご参加ください。                              (ST)

6月活動報告

6月25日(土)精神福祉講座「精神科の薬の話」

参加者17人(会員)

長い薬剤師の立場からの示唆に富んだお話をいただきました。

桜が丘記念病院の薬剤部の佐藤康一氏をお迎えして久々の勉強会です。6月とは思えない猛暑の中、いつもより多くの会員が集まり「精神科の薬の話」に聞き入りました。

まず、統合失調症の特徴や主な症状から始まり、今だ原因や治療法は確立されていないとしながら、服薬の中断による再発率が5倍、2年以内に80%の人が再発、再発を繰り返すことで症状を抑えるのに時間がかかり再発前の状態までの回復しづらくなるとのこと、うすうすわかっていながら数字で示されると身が引き締まります。統合失調症の薬の主役は「抗精神病薬」、そしてそれを補佐する様々な薬が存在します。抗精神病薬には新しい非定型と旧来の定型に分類されていますが、それぞれの特性の応じて処方されています。また、薬にも錠剤の他に様々な形状があります。注射によるものは飲み忘れがなく安定していますが、症状が思わしくなかった時の対症が難しい、テープ剤の場合は効果が長く続くもののテープを定期的に貼り変えないとかぶれるなど肌のトラブルにつながるので注意が必要です。よく使われている睡眠薬についても様々な症状が出てくるし、超短時間・短時間・中・長時間と症状に応じた選択肢があります。このように統合失調症といえども人それぞれでその人に合った薬を見つけるためには試行錯誤に伴う多くの時間を要することがわかりました。そして医療の分野も日進月歩の現在、きっとより合う薬や治療が出てくると信じて主治医と当事者、家族の辛抱強い話し合いが求められるのです。

佐藤先生のお話の後、質問を受けての応答がありました。体重の増加についての悩みが何件か出ました。確かにいただいた資料の中に副作用として体重の増加が記載されている薬が出ていました。先生は「一つの対策として薬の切り替えもあるが、原因は薬だけではない、楽しみが少ないのでは?と考えてみる、間食の習慣が乗り越えられるかにある」その後にあったアルコールやタバコの習慣に関しても「当事者の楽しみを登山、ジョギング、水泳などの楽しみに向けることができないかこれらをサポートできる薬を選んでいくことが大事。」また、「太らない薬もないことはないが、薬を飲んで減らすのがいいか?という疑問にぶつかる。たまのドカ食いは許容範囲にならないか」などこちらに考える材料を返してくださいました。「一人になると幻聴が出てきて大騒ぎになるので困っている」という方には主治医に相談して頓服的なものを処方してもらったらとアドバイス。「薬が原因で嚥下障害になった」方には副作用対策で飲む薬があるとの情報をいただきました。

熱心にメモする参加者

15時30分の終了予定ぎりぎりまで熱心な質疑が続きました。  (KH)

6月23日(木)東京つくし会評議委員会

参加者1名

3年振りに出席しました。会場は下北沢タウンホールでした。以前の駅周辺の様子とは大きく変わっており、東口出口には役員の方が会場案内をして下さいました。 真壁会長の挨拶で始まりました。コロナウイルスとの付き合いも3年目に入りました。ようやく本来の姿に戻すことができ本当にうれしく思います。ただ、今までの会場、烏山区民センターの使用ができなくなり今回も初めての会場です。昨年、コロナ禍の中でしたが「みんなねっと東京大会」を開催することができました。初めてのオンライン併用で成功させたことが私たちにとって大きな自信になりました。

来賓の挨拶では、都議会厚生委員長、各政党の都議会議員からは一人約1分間のスピーチで力強い励ましの言葉がありました。行政からは東京都精神保健医療課長が出席しました。 財政面では昨年度会費収入が減り、厳しくなっています。中でも、つくし会事務所の家賃支出は大きく、今後も良い解決策を見出していけるよう、検討していきたいと言うお話でした。

役員体制について、本当なら10~15名の理事が必要ですが、なり手がいなく、今は10名ぎりぎりでやっています。単会から是非、理事を出して頂きたいという切実なお願いがありました。

提案された2021年度事業・活動報告及び2022年度事業・活動報告は全て承認されました。詳しい内容については7月以降の「つくし便り」に掲載されますので是非ご覧下さい。

・午後から講演会がありました。

テーマ:こんなときどうしたらいいの ~思春期のこころの病かな?~

講師: 遠藤季哉(としや)氏(東京さつきホスピタル副院長)

(K.F)

6月14日(火)集いの会

参加者 5人(会員5人)

6月中旬とは思えない小雨降る肌寒い日、集まった顔なじみのお母さんたち、様々な悩みを抱えながらも胸にしまわないでお話する勇気は問題を共有する第一歩。でもその悩みは深く、一概に精神疾患といえども症状は「まちまち」、でも話しているうちに「あるある」と共感が広がる。私がいなくなったらどうなるという心配にご主人の高齢化に伴う様々な心配が加わり、解決法が見つかるどころかだんだん難しくなっていく現状に戸惑っている様子。「考えても仕方がない何とかなるさ」と言ってみてもなかなか吹っ切れない。「でもね、よく親が亡くなるとしゃんとして、しっかりするって話を聞くね。」

それを信じるしかないか!と少し元気になって帰れたかな。           (K.H.)

5月の活動

5月28日(土)2022年度通常総会

2年続いたコロナ禍で昨年・一昨年は書面による総会でしたが、今年は久しぶりに通常総会ができました。藤岡責任代表の挨拶のあと、57名の会員中16名出席、委任状28名で総会が成立したことが宣言され、会員の本多さんが議長に指名されて議案の審議に移りました。

1号議案の「2021年度を振り返って」の中では、長い間相談や会の運営でお世話になった坂田先生が退任なさったことが大きく取り上げられました。また、コロナの影響も大きく残る中で出来得る限り予定の事業を実施してきたことと懸案事項であったホームぺージの開設にこぎ着けたことが高村代表から報告されました。

2号議案の決算報告では、年度当初予算が不足することが懸念されて、役員交通費の減額や午前午後にわたる運営委員会の弁当の廃止を行ったことと、匿名の寄付があったことなどの結果、次年度の繰越金が前年度を上回る額になったことが落合代表から報告されました。松田監査委員からは帳簿、現金について間違いないことが報告されました。

3号議案の活動計画と予算案では藤岡責任代表から年間テーマは昨年同様の「地域で安心して生きるために」が発表されて、落合代表からはその裏付けとなる予算案の説明がありました。

4号議案の役員体制は、原田監査委員が書記に回り主にホームページ担当し、新しく監査委員には本山さんが推薦されました。

1号議案から4号議案までそれぞれ賛成多数で承認されました。

総会終了後の懇親会では、お茶とおみやげのクッキーが配られてそれぞれの近況報告がなされました。会員全体の高齢化が進む中、『病気の子どもとご主人の体調不良も加わり、自分が倒れたらどうなってしまうかと不安が募る』というお話には『わが家も同様』、と多くの方から共感が得られました。また、会費の振込手数料が高いのでサンクラブの行事に参加したときに集金してもらえるとありがたいという意見も出されました。                       

4月の活動

4月23日(土)学習交流会

参加者 11名(内 会員10名)

今年度1回目の交流会です。先月はDVDの映写ができませんでしたが今回は皆で見ることができました。「みんなねっと東京大会」の基調講演は白石弘巳先生です。テーマは「当事者・家族が生き生きと地域で暮らしていくために」-医療と福祉の連携-。 本の紹介や家族会活動の紹介も入れながら約1時間30分でしたが集中して聞くことができました。先生のお話は考えさせられることが沢山あり、とても勉強になりました。

講演の内容は「月刊みんなねっと」2022年1月号に要約して掲載されています。同封しましたので是非ご覧下さい。DVDの貸し出しもできますので希望される方はお知らせ下さい。後の特別講演は都立松沢病院名誉院長の斎藤正彦先生です。DVDを見るのは7月以降の交流会に予定をしています。

久し振りに参加して下さった方もいらしゃいます。短い時間でしたがお一人づつ近況報告ができました。親子で参加の娘さんからは「家族会の雰囲気が好きです」と、うれしい言葉をいただきました。高森先生が紹介して下さった狛江の「往診メンタルクリニックゆっくり」に家族相談として受診をしてきたという方からは、時間をかけて丁寧に発症時からのことを聞いて下さいました。院長の星野先生は「今、精神科外来の診察時間は約5分と短すぎる。もっと時間をかけて患者の話を聞くべき、一番大事なことです」と、強調して話されたと言う報告がありました。                                (K.F)

4月12日(火)集いの会

参加者 4名(うち会員4名)

今まで本人がなかなか受診できず、やむなく母親が薬を取りに行っていた方は、主治医が替わってから本人が受診できるようになりました。本人が受診日に向けて心の準備をするようになった、ということです。「何事も『本人のやる気』に勝るものは無いわねえ。」としみじみおっしゃっていました。

そのあと、母親の体調不良とそれに伴って家事の行き届かないこと、家事の分担についてなどなかなか解決が難しい話になりましたが、介護保険の認定やサービスの仕組みや相談先である地域包括支援センタ―まで話が発展しました。          (S.T)

4月2日(土)「みんなでやろう家族SST」 第56回

高森信子先生 参加者 26名(うち会員12名)

◆親の期待や欲を手放せば子は変わる!

 全国精神障害者家族会連合会の最後の理事長を務められた小松さんから「親が変われば子が変わるというのは本当のことですね」という電話があった。熱心に家族会の活動をされる一方で、家では息子さんを避け険悪な親子関係だったが、数年前に奥様を亡くされ、病気で引きこもっている息子さんと自分の2人が取り残された。

二人とも家事も料理もできない。ヘルパーを入れるのは息子さんが受け付けないことから、すべてを息子に任せようと決心し実行した。毎回同じコンビニ弁当でもそれも受け入れるようにした。「ぼくが施設に入所してコロナで外出もできない状況になったら、ずっと引きこもり社会と接点のなかった息子が、役所の手続きや名義変更などみんなやってくれて、もう感謝、感謝だよ! 高森さんの話を何回も聞いていたが、自分はずっと実践できていなかった。今はとてもいい関係だよ。高森さんありがとう」というお礼の言葉を伝える電話だった。

この事例を通して、先生は「自分の期待や欲を手放せば相手は変わる」「病気の人に関わるときは、笑顔で今の本人の状況を受け入れて一切口出しをしない!」ということを話された。                                (M.F)

*この記事はサンクラブ多摩だよりの抜粋です。もっと詳しく知りたい方はサンクラブ多摩だより5月号をお読みください。
お手元にない方はお問い合わせください。

3月の活動

3月25日(金)長池公園ハイキング 参加者7名

〈長池公園ハイキングに参加して〉

今年はお彼岸を過ぎても雪が降ったり、寒くて不安定な日が続いていましたが、当日はお天気に恵まれ、暖かなハイキング日和となりました。

 

参加者7名で京王堀之内駅から静かなせせらぎ緑道を通って長池公園まで歩きました。コブシヤアセビ、春の訪れを告げる草花に目を奪われながら緑道を歩いていくと、やがて長池公園の長池見附橋が見えました。この橋は大正ロマンを感じさせる優雅な趣のある橋で、古き良き時代が偲ばれました。

 

自然豊かな公園では、山鳩や鶯、ジョウビタキなどの鳥たちもそれぞれに出迎えてくれました。自然館でひと休みした後、カタクリの花を観賞しました。ちょうどカタクリは私たちを待ってくれていたかのように咲いていました。ひっそりとやさしく咲く小さな花にしばし心を和ませてもらいました。

 

そろそろお腹もすいてきて、昼食は長池のほとりのベンチでお弁当を広げ、おしゃべりやおやつ交換をしてお腹も満たされ大満足。

帰りの道々見つけたタラの芽。誰かが「これタラの芽よ!」と教えてくれて、スーパーで売っているタラの芽しか知らない私は、棒のように伸びた茎の先に芽の付いている様子を初めて見て「なるほど、これがタラの芽ですか~!!」と感動でした。知らない草花や木の名前、鳥の名前などをよく知っている人から教えてもらえることもサンクラブのハイキングに参加して嬉しい事の一つです。

バス停までの道は濃いピンク色の陽光桜の並木がきれいに咲きそろい、ひと足早いお花見ができました。

寒さとコロナ禍でこもりがちな日々でしたが、自然いっぱいの長池公園を皆でおしゃべりしながらのんびり歩いて、ひとときの息抜きができ、楽しい一日でした。

(K.F)

3月8日(火)集いの会  出席者 4人(うち会員4人)

ご自身の体調不良でしばらくお見えにならなかった方がお顔を見せてくださいました。入院中留守宅での食事は宅配弁当で何とかしのいだけれど、退院してみると生活は元に戻ってしまって、母親の負担は重く、結構辛かったなどと話されました。

そのあと、主治医が変わった方は息子に「先生には長く診てもらったのだから最後の受診日には『お世話になりました。』と言おうね。」と前もって話してあったのに自分はすっかり忘れていて、息子が『お世話になりました。』と言ったのでびっくりした、と話されました。聞いていた皆で「すご~い!偉かったね。」と褒めました。

(S.T)

『サンクラブ多摩だより』印刷、発送:3月8日(火)13:00~(7階印刷室)

12月の活動

12月14日(火)集いの会 出席者 3人(うち会員3人)

冷たい雨が降る日で出席者が少なかったので、一人ずつじっくり聴くことができました。もう何年も主治医との言葉の行き違いに悩んでいた方は、息子さんが病院に行って、先生に直接「主治医を変えたい。」と話して了承されたとのこと。ただし、「変えることはできるが、新しい主治医が希望した先生になるかはわからない。」と言われて「また、合わない先生だったらどうしよう。」と不安の様子。ほかの人から、「あんなに悩んでいたのに希望が通ったのだから、一歩前進と思わなくてはダメよ。」と励まされました。

(S.T)

12月 学習・交流会はお休みでした

 

11月の活動

11月6日(土)「みんなでやろう家族SST」 第55回

高森信子先生 参加者 32名(うち会員16名)

 「孤独でいたら何も解決しない。同じ悩みを持つ親が学び共有の情報を得て家族がほっとすると、当事者もほっとする。親が先に元気になるのが原則!」という高森先生の言葉で始まった55回目の公開講演会。参加者の約半数が会員以外で家族の悩みを抱えた方。地域外の方も多く、このような場の大切さを感じます。久々に、参加者同士のロールプレイ体験も復活。日常の親の関わり方を見直す機会になりました。講演の中で「家で当事者にストレスをぶつけない。そのためには、親の学びの会でお互い安心して愚痴を言い合う環境をつくってほしい」という先生の言葉が、会場の雰囲気と共鳴する会でした。